No.92 2017.07"Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

ユル・ブリンナー

ロシア極東連邦総合大学函館校 教授 パドスーシヌィ・ワレリー

ウラジオストクのほぼ中心地、鉄道駅に程近く小高い場所に、美しく古い家が建っています。
その建物の正面には1920年7月11日この世に生を受けた人物の記念碑があり、私たちの目に留まります。その人物とは、今ではアメリカ映画・舞台の俳優として有名なユーリー・ボリソヴィチ・ブリンナーです。
そのウラジオストク出身で有名な人物の祖父は、ジュリ・ブリンナーといいます。彼はスイスに生まれました。16歳で家を出て船で上海に渡り、そこから日本の横浜に辿りつきます。
彼は、あるイギリスの会社の仕事をみつけ、そこで数年働きました。雇い主が亡くなった後、会社はジュリが所有することになりました。
彼は日本人女性と結婚し、子どもが生まれます。しかしジュリは、突然日本の家族を捨てウラジオストクへと渡って行ってしまったのでした。 
彼はウラジオストクでロシア国籍を得て、再び結婚します。今度の妻はロシア人でした。
彼の息子の一人ボリス・ブリンナーは、ペテルブルグ大学で学んでいて、そのときにウラジオストクの医者の娘マルサ・ブラガヴィドヴァと知り合います。1914年に彼らは結婚します。まもなくして一家はウラジオストクに戻り、そこで息子ユーリーが生まれます。
ロシアでの革命後ブリンナーの家族は中国のハルビンに移住します。
ユーリーは、アメリカンスクールYMCAで学んでいました。14歳になった彼は、単身中国からパリへと移住します。
1935年7月15日、そのパリでユル・ブリンナーはデビューを果たします。彼は、パリのとあるキャバレーでジプシーの歌を歌っていました。
ジプシーアンサンブルで短期間働き、その後はサーカスの曲芸師として2年働いていました。そんなある時、高い場所から落ちて骨折してしまいます。そのため丸一年スイスで治療していたことがありました。
その後1938年にスイスに戻りロシア劇場で学ぶことにしますが、1941年にはミハイル・チェーホフの演劇学校で学ぶためにアメリカに渡ったのでした。
1941年12月2日、ユル・ブリンナーは人生で初めて芝居の役を演じました。
1943年、ユル・ブリンナーは映画スターヴァージニア・ギルモアと結婚します。そして1946年にユルとヴァージニアはニューヨークに移り住みます。
ユル・ブリンナーは運転手として働き、夜はクラブで歌っていました。その1年後、彼と妻はテレビの仕事を得ます。ユルには演劇俳優としての役も与えられました。
その頃、有名な作家リチャード・ロジャースとオスカー・ハンマーシュタインがミュージカル『王様と私』を書き上げます。ブリンナーは見事オーディションに受かり王様の役を得ました。ここからユル・ブリンナーの栄光が始まります。
1956年2月26日にミュージカルの初演が行われました。舞台は、第一回から大成功を収めました。このミュージカルは30年続き、ユル・ブリンナーは4633回出演しました。
1956年にはミュージカルが映画化され、その主役もブリンナーが演じます。1957年春には、この役でオスカー賞を受賞しました。
ほぼ同時期に、映画『追想(アナスタシア)』に続き、『モーゼの十戒』、『カラマーゾフの兄弟』、『隊長ブーリバ』などの有名な映画が公開されます。しかしながら、ブリンナー出演で最も有名な映画となったのは、黒澤明の『七人の侍』をリメイクした映画『荒野の七人』でした。
ユルが1958年から携わったこの映画は、1960年には封切りされ、途方もない興行的成功を収めます。そしてこの映画がユル・ブリンナーの映画での頂点となりました。その後20年以上にわたり映画に出演しますが、この映画以上の作品に出会うことはありませんでした。
1985年6月30日ニューヨークでは、ユル・ブリンナー主演『王様と私』の最後のミュージカルが上演されました。
ユルは死期が近いことを知っていました。既に重篤な状態だったのです。
死の数日前、喫煙を止めるよう呼びかけるテレビCMを撮影しました。
1985年10月10日死去。
2005年9月14日、ウラジオストクのアレウスカヤ通りの家にユル・ブリンナーの記念プレートが創られました。
2012年9月28日俳優が生まれた家の傍では、記念碑の除幕が行われました。この記念碑は、すぐさまウラジオストクの名所のひとつとなりました。
ウラジオストクに行く機会がありましたら、日本とも所縁のある俳優ユル・ブリンナーの生家をぜひ訪れてみてください。

学務課お知らせ

前期試験日程
今年度の前期試験を下記の通り実施します。ザチョット週間は、通常の時間割どおりに行われます。
エグザメン週間の日程については、掲示にてお知らせしますので確認してください。

 ザチョット:7月24日(月)~7月28日(金)

 エグザメン:7月31日(月)~8月10日(木)

成績通知について
前期の成績は、後期授業開始時の9月に配付します。配付は事務局で行いますので、期間内に受け取りに来てください。

9月11日(月)~9月22日(金) 
なお、期間を過ぎましたら個人情報にかかわるので廃棄します。再発行はしませんので、希望者は必ず受け取りに来てください。

夏季休業
今年度の夏季休業は、8月14日(月)から9月8日(金)です。夏季休業中も平日は校舎の利用はできますが、8月11日(金)から16日(水)の間は、事務局休業のため校舎を閉鎖します。この期間は各種証明書の発行もできませんので注意願います。

後期授業は9月11日(月)より始まります。

短信

特別講義「日ロ貿易論」が開講されました

本校では、年に1回、全学年の学生を対象に、杉本侃客員教授による特別講義「日ロ貿易論」を実施しています。
杉本先生は、東京外国語大学ロシア学科を卒業後、(社)ソ連東欧貿易会(現:ロシアNIS貿易会)、サハリン石油開発機構(株)に長年勤務、さらに日本経団連日ロ経済委員会事務局長、ERINA(環日本海経済研究所)副所長などを歴任し、ソ連時代から現在に至るまでの長きにわたり、日ソ・日ロ経済関係、なかでもエネルギー問題の専門家として活躍されています。
本年度の特別講義は6月5日(月)に行われました。
冒頭、「日ロ関係-そよ風か完風が」、という問いかけに始まり、
1.「制裁」に順応-ロシア経済
2.日ロ貿易-回復の兆しか??
3.首脳主導の経済協力「8分野」
の3つを軸に進められました。
本論では、1989年から2016年までの日ロ貿易高の推移を見ながら、日本からの輸出入の特徴を概観した後、主要な輸出入品目について2012年以降の動向を分析しながら、日ロ貿易が「2017年は持ち直す???」と予想されました。
次に、2013年4月29日のモスクワでの日ロ首脳会談から2017年4月27日のモスクワでの会談まで、計14回(+3回)のトップ会談が「シンゾー・ウラヂーミルの間柄」で行われたことについて説明がありました。
続いて、「首脳間合意の日ロ経済協力8分野」について解説があり、128件の合意について、杉本先生が独自に作成された「日本とロシアの協力文書一覧」を基に、詳しい解説がありました。
このほか、エカテリンブルクで開催される「イノプロム(ロシア最大の産業総合博覧会)」についても触れていただきました。というのも、「イノプロム」の2017年のパートナーカントリーが日本であることから、今年7月にエカテリンブルクで行われる学生交流(日露青年交流センター主催)に函館校からも6名の学生が参加するためです。
結びの言葉は、「ロシア語の世界(職場)は広がる!!!」、でした。目標を定め、これだけは自分はだれにも負けないと誇れるロシア問題のプロになってほしい、という力強い応援メッセージでした。
今回もまた、貴重かつ有益なアドバイスをいただき、学生は刺激を受けたようです。

第1回オープンキャンパス終了

去る6月17日(土)に第1回オープンキャンパスを実施しました。今回は12名(うち4名はご家族の方)の参加者をお迎えしました。
デルカーチ・フョードル副校長による1年生の模擬授業は、ロシア語学習を始める前の参加者のみなさんには、内容が思った以上に高度だと感じたかもしれません。
オープンキャンパスは、学生自治会行事でもあります。そのため、自治会役員は、入学式、授業、ウラジオストク本学への留学、そして学内行事の言語まつり「АБВГ-Day(アーベーヴェーゲー・デイ)」、合唱サークル「コール八幡坂」、そして学校推薦者が参加する学外行事「JT夏季短期インターンシップ」と「北方四島訪問(ビザなし交流)」などについて、役員全員が各自の体験を交えながら「学生生活」を紹介しました。
教職員および在校生との懇談では、ピロシキ(ロシアのパン)とロシアンティーを楽しみながら、ロシア語の授業のこと、毎日の生活について話題になりました。また、今回は函館市内・近郊のみならず、東北、首都圏、中国地方からお集まりいただいており、函館での生活に関する質問もありました。
参加者の中には、高校1年生や2年生、あるいは数年後の入学を検討している社会人の方々もいらっしゃいましたが、オープンキャンパスは、授業内容や学校の雰囲気を知る絶好の機会です。
1年生と自治会役員のみなさんは、お疲れさまでした。

就職支援体制について

4月から、『ハローワークはこだて』ジョブサポーターによる個別相談や、事務局および外部講師による就職対策や個別指導(履歴書の作成、面接の受け方など)を定期的に行っています。
また、6月19日(月)には川重商事元社長・渡辺善行氏による「ビジネスセミナー」(テーマ「『会社』の成り立ちと課題」)を開講しました。

留学実習説明会

今年度のウラジオストクへの留学実習は9月12日(火)に出発することが決定しました。現在は、その準備のために月に1度説明会を実施しています。
6月16日(金)に行われた第3回留学実習説明会では、留学に行く学生は必ず加入しなくてはならない海外旅行保険について説明しました。
第4回留学実習説明会は昨年度、留学実習に行った4年生からウラジオストクの街の様子や新キャンパスの様子について話を聞きます。
日時は下記の通りです。対象学生は必ず出席しましょう。

日時:7月7日(金)16:10~
場所:4番教室
対象学生:ロシア語科2年、ロシア地域学科3年

総合学習等受け入れ

本校では、修学旅行・宿泊研修・総合学習向けプログラムを実施しています。
今年度は既に、以下の3校の中学生と高校生のみなさんが来校されました。
5月12日(金)北海道南茅部高等学校1年生13名
5月17日(水)宮城教育大学附属中学校2年生4名
6月2日(金)北海道北斗高等支援学校1年生11名
本校ロシア人教師と共に、1時間半から2時間かけて、ロシアの歴史地理や簡単なロシア語のあいさつを勉強し、また、ロシア語のアルファベット表を見ながら自分の名前をカードに書き、ロシアの民族衣装体験をしました。隣国ロシアを身近に感じていただけたのではないでしょうか。
このほか、8月1日(火)~3日(木)には県立青森南高校外国語科でロシア語を勉強する3年生2名が来校し、「ロシア語集中セミナーin函館」を開講します。函館校で複数のロシア人教員から教わることによりロシア語に磨きをかけ、函館とロシアの交流史についても学ぶ予定です。

JT奨学金

日本たばこ産業株式会社(JT)提供の奨学金が、今年度からさらに3年間継続されることになりました。年間1,529,600円で、学生の学習意欲の向上を図るため①ウラジオストク本学への留学実習、②海外インターンシップ(サンクトぺテルブルク・モスクワ8日間)の2種類の事業について給付されます。
①に関しては9月に出発する学生のうち4名について採用が決定し、成田―ウラジオ往復航空券と寮費が給付されます。
②のインターンシップ研修は、過去3年間は夏季休暇中に実施していましたが、今年は12月9日(土)出発に変更されます。
こちらもすでに4名の学生の採用が決定し、杉本客員教授やビジネスセミナー渡辺講師による企業研究など事前学習が始まっています。また今年度からインターンシップは選択科目として履修認定されます。
①、②とも、学生にとっては経済的負担が少ない中で在学中に見聞を広める絶好の機会です。卒業後の進路に生かせるよう、現地では積極的に行動し、たくさんのことを吸収するよう願います。

エカテリンブルグ国際青年キャンプ

政府の日露青年交流事業「エカテリンブルグ国際青年キャンプ」が7月11日(火)~18日(火)に行われます。日本から派遣される16名の学生(阪大、東京外大ほか)のうち本校から6名が選ばれました。
現地ではロシア人学生20名とともに木彫りや書道のワークショップ、ウラル山脈ハイキング、スポーツなどで交流を図ります。現地で開催される「イノプロム」を見学するなど盛りだくさんなプログラムです。これは2017年ウラル日本週間に合わせて開催されるもので、ロシア人学生との交流はもちろん、日本の他大学の学生との団体行動も大いに刺激となるでしょう。
イノプロム見学に向けて、6月19日(月)にはビジネスセミナー渡辺講師による「最新の技術分野」研究が行われました。また市内在住でエカテリンブルグ出身の遠峯エレーナさんを招いて座談会を行いました。エカテリンブルグの街の様子やキャンプ場での注意事項など地元の人ならではの情報を写真を見ながら教えていただきました。
エレーナさん自身がウラル大学在学中に初めて日本に来たのも日露青年交流事業だったそうで、その後大阪外大(現・阪大)に日本の文部科学省から奨学金を得て留学した話など、学生にとって大変参考になるお話も聞くことができました。
参加学生は準備万端でキャンプに臨みます。帰国後の報告にご期待ください。

学生からの投稿

「北方四島交流事業」報告 ロシア語科2年 松井 真音

わたしは6月8日から11日にかけて実施された北方四島交流事業で択捉島に行ってきました。主なスケジュールはホームビジット、共同経済活動に関してロシア語を交えて話す交流会、現地の幼稚園や水産工場の視察などが予定されていました。
ですが、天候不良のため根室沖で一泊だけ停泊しスケジュールの短縮、また工場側の事情で見学が中止となりました。
訪問するまでは言語の壁をとても心配していましたが、一緒に訪問した方々の会話の通訳を力不足ながら手伝いました。ホームビジット先の奥さんが自分の訳したロシア語を褒めてくれてとても嬉しかったのを覚えています。
共同経済活動に関しての交流会では、お互いに相互理解を深めて一緒に漁業や観光といった事業を進めていければいい、まずはお互いに理解しあって仲良くなることが大切だという意見がロシア側と日本側で一致しました。またここでも15歳の女の子と日本に来たことがあるのか、などとロシア語や日本語を交えた会話ができて楽しかったです。
北海道出身でありながら、これまで北方四島についてはほとんど知識がありませんでした。まだまだ日本とロシアには解決しなければならない問題がたくさんあります。個人的にも自分のロシア語力に何が不足しているかの自覚に繫がり、お互い理解する上で相手の言語が話せることの重要さを実感した、とても有意義な択捉訪問になりました。

学生からの投稿 1年生特集『本校に入学して』

ロシア語科 齋藤 玲子

私は、小さい頃からずっと音楽をしてきました。大学も音楽大学に行き、アメリカ留学も音楽大学へと進みました。帰国後、クラシック・ジャズ・ポップス・環境音楽など、種々の音楽に浸っていた時、ロシア人ピアニストの弾くチャイコフスキー作曲「四季」という曲をコンサートで聞いて、私の周りに漂っていたすべての音楽がどこかにすっ飛びました。ロシアの広大な大地と四季折々の豊かな自然、そこに暮らす温かい人々の暮らし、そして大切にしている家族の繋がり。これが、ロシアへ興味を持ち始めた出発点だったと思います。
それからはロシアの映画・文学・建築・そしてもちろん音楽に夢中になりました。特にロシア語の音の響きは、とても気に入りました。先日、ロシア語会話クラスで、先生がプーシキンの詩を暗唱してくださいました。久しぶりに聞くロシア人の生の朗読は、体も心も震えました。本当に素敵でした。
去年の春、函館に旅行で来て元町あたりを散策していると、ロシア国旗が目に入りました。そのまま建物に入り、幸運にも直接担当の先生から、この学校について説明を受けることができました。それが今、私が通っている「ロシア極東連邦総合大学函館校」なのです。
4月に入って、想像していた以上のたくさんの授業と宿題に追われている毎日です。理解に時間がかかる私にとって、正直なところ、今の授業の進み方についていけてない状況です。外国語を修得するのは、本当に大変なことだと痛感しています。でも一歩一歩進むしか方法はなさそうです。無理せずマイペースで行きますので気長に待っていてください、ロシア語さん!

ロシア語科 竹内 志織

本校へ入学して、二カ月と少しが経過しました。この二カ月間は本当にあっという間だったと感じます。4月に入学式をして、すぐに授業が始まり…と、ここまでは高校生の頃とあまり変わりは無いと思っていましたが、やはり授業が始まるとロシア語からロシア文化、歴史などロシアに関する授業が時間割の大半で、当たり前ですが今までの学校生活と180度変わりました。これまでの小中高を経て学んできた教科とは違い、何の前知識もなく学ぶことは少し不安もありましたが、この約二カ月間を通して先生方やクラスメイトに助けてもらいながらロシア語を学んでみて、楽しいと感じています。
これからも多くのロシアについての物事を学んでいきますが、この二カ月間の楽しい気持ちを忘れずに、卒業まで勉学に励んでいきたいと思います。

ロシア極東大学に触れてみて
ロシア地域学科 相川 将太

入学して約二、三カ月経って感じたことは、このロシア極東連邦総合大学函館校のひとつひとつの授業の内容の素晴らしさです。
私はロシア語を全く知らない、ゼロスタートから始めました。本校はロシア語文法会話の授業が毎日あり、ひとつひとつの授業の内容が濃いうえに、宿題もたくさんあり、正直大変です。しかし、その大変なカリキュラムをしっかりこなすことで、この約二カ月間で少しは実力がついたと感じています。
授業のスピードは速いですが、しっかり理解できることや、発音もネイティヴのロシア人から教わるのでモスクワ訛りなど、この学校ならではの学べる多くのことが素晴らしいと思っています。
まだ入学したばかりですが、この学校で勉強することで確実にロシア語や英語、また文化的教養をしっかり身に付けることができると実感しています。

不安から期待へ
ロシア地域学科 平原 響

私は入学前、初めての一人暮らしやゼロからスタートするロシア語の勉強など、様々な不安がありました。入学して、実際にロシア語はとても難しいと感じています。しかし、授業やそれ以外の時間でも丁寧に教えてくださる先生方や先輩方、同級生に助けられながら、全力で勉強に取り組むことができています。
生活面でも、今ではすっかり慣れて、休日の空いた時間には函館やその周辺を散策するなど、とても楽しく充実した毎日を過ごしています。
函館の街はとても穏やかで、勉強にも日頃の生活にもとても良い環境だと思いました。学校周辺は洋風の街並みが広がり、まるで自分が外国にいるような気分を歩くたびに感じています。こんな素晴らしい場所で、これからの4年間、勉強できることが楽しみで仕方ありません。この気持ちを忘れず、様々なことに興味を持ち、努力し、たくさんの経験を積んでいきたいです。

本校に入学したことによる変化
ロシア地域学科 小林 拓夢

本校に入学して変化したのは多言語が聞こえてくる環境が普通だと思えるようになったことだ。
一つ目に聞こえてくるのは当たり前だが日本語だ。そして二つ目は我々が勉強しているロシア語。それに加えて最近は、同じ建物内にあるHIF(北海道国際交流センター)に日本語・日本文化の勉強にやって来ている各国からの留学生たちが共通言語で話している英語だ。つい二、三カ月前とは大違いである。
この外の人から見れば普通じゃないことを普通だと思えるようになるには一週間もかからなかった。そして日本語だけの環境の方が普通じゃなくなったとき、私は真に本校に通っているという確信のようなものを得た。
外国人と会話することも普通になった。前までは外国人と話すとき、緊張感に似た独特の感覚を覚えたが、今ではそのような感覚は無くなった。外国語を話したりすること、勉強することが楽しく思えたことは、中・高6年間の英語勉強の時には絶対感じることができなかったものである。そう考えると、毎日何を学べるのか楽しいと思うようになったことが、一番の変化かもしれない。

新しい日々 
ロシア地域学科 中薮 東

自分は4月に入学して初めてキリル文字の書き方と読み方、発音を一から学び始めました。最初は今まで習って来た言語との違いに苦しむ場面も多かったです。加えて今年は経験者が多く、周りとの差を強く感じた瞬間も多々ありました。
そして初めての一人暮らしに慣れるまでにも時間を要しました。
ゴールデンウィークで一息つけると思ったのも束の間、身内の不幸で急に帰省しなければならなくなって約1週間函館から離れる事になりました。その間勉強に手をつける余裕が無く、戻ってきた時には溜まった課題とクラスのみんなが前より話せるようになっている姿を見て焦りを感じました。
5月後半は、結局そうした課題の消化と同時に新しく出される課題の解決に砕身している間に過ぎていって、ようやく気持ちに余裕が出来たのは6月に入ってからでした。
函館に来て二カ月、来る前は、函館は閉鎖的な市民性などという噂も聞いていましたが、実際に生活してみると皆優しく色々気に掛けてくれて、人の温かさを肌身に感じる機会が増えました。
目の前に広がる綺麗な海と空、名所の数々は、日々の生活を東京にいる時とはまた違ったものにしてくれます。休日に趣味の写真を撮りに出かける事も多くなりました。クラスとも次第に打ち解け、今では遊びに出かけたりと仲良くなってきてとても嬉しいです。
語学力は甘く見積もって、ようやくロシア語に入門したといったレベルです。まだまだ差を感じる瞬間は少なくないですが、語学は一朝一夕で出来るものではないので、周りを意識しすぎず、自分のペースでコツコツとやっていこうと今は思っています。

ロシア地域学科 竹内 のぞみ

函館に来て二カ月が経った。大学でロシア語を本格的に勉強し始めて、日本語を客観的に見る機会が増え、外国語を学ぶことは母国語を知る手段の一つでもあると思った。
そして日本人で通訳・翻訳に携わっている方々は、皆さん紛れもなく日本語のプロでもあるのだと今更ながら気づいた。露文を日本語訳する過程では、外国語で与えられた情報を意図的に自然な日本語に変換することの難しさを痛感し、ロシア語はもとより日本語でさえ自由に扱えない今の自分に唖然とした。
まあ、そこそこ能天気で、そこそこ強欲な私は、この期に及んで、英語だってペラペラになりたいよな、などと思っていたりするのだから、それもまた驚きである。
宿題は毎日あり、忙しい朝にはトイレと歯磨きと単語の復習を同時にすることもしばしば。少しずつロシア語の複雑さも姿を見せ始め、早くも言語を学ぶ大変さを思い知らされているものの、インテリゲンチヤである先生方や、出身も経歴も考え方も様々なクラスメイトに囲まれて、学校生活は充実している。

ロシア地域学科 和田 将英

ロシア極東連邦総合大学函館校に入学して、2カ月半ほど経ちました。入学前や入学後の数日間は、大学の授業に付いていけるか、同期の学生や先輩方と良好な関係を築けるかなどの様々な不安でいっぱいでした。
しかし、一週間二週間と、この函館と極東大学で過ごしていくうちに、ここでの暮らし方を少しずつ身に着けていくことができました。同じ時期に入学した学生については、僕は、ほとんどが高校卒業後にここに来た学生達が多いかと考えていたのですが、そうでもなく、高校卒業生の他に、自分のような大学卒業後にここに来た学生や、自分と年が前後数歳の学生など、出身や学歴、ここへ来た動機など、実に様々な学生が集まりました。
ロシア語の講義については、去年のオープンキャンパスで聞いていた通り、かなり授業が進むのが早いように見受けられました。しかし、わからないことがあれば講義中でも放課後などでもロシア人の先生方に質問して疑問を解消できたり、同学年の友人たちとわからないことを補い合いながら、日々の講義に備えていけています。
ロシア語は以前から聞いていた通り、早い段階から難しいことが多くでてきます。しかし、日々の学習の中でそれらを少しずつ理解し、自分に取り込んでいくことは、楽しいことでもあります。ロシア語は響きがかっこよく、美しい言語です。ロシア文化そのものも様々な魅力に溢れていますので、時間をいくら掛けてでも身に着けようという気持ちにさせてくれます。
大変なことは多く、毎日決して楽ではありませんが、とても充実した日々を過ごせていると言えます。

お知らせ

小学生対象夏休みマトリョーシカ絵付け体験教室

ロシア人の先生が下絵を描いた白木のマトリョーシカに一人1個、色をぬります。小さなお子さんでも簡単に作業ができるので、夏休みの自由研究に最適です。
大きさは、大・中・小あり、その中から1個選んでいただきます。またロシア語で作った名札もプレゼントします!興味がある方はぜひご連絡ください。
詳しくはホームページにも記載しておりますので、ご覧ください!

日時:8月8日(火) 9:00~12:00
場所:ロシア極東連邦総合大学函館校ロシアセンター
費用:一人1,500円(当日いただきます)
定員:小学1~6年生 10名まで
申込:ロシア極東連邦総合大学函館校
事務局までお電話でお申込み下さい。定員になり次第、締め切らせていただきます。
電話:0138-26-6523(月~金 9:00~17:00)

在札幌ロシア連邦総領事館開設50周年記念写真展

1967年、札幌にソ連領事館が開設されて今年で50年を迎えます。本校と同じ建物内には、2003年に在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所が開設されました。
写真展は、函館、札幌、小樽の領事館の歴史や現在の交流について、ロシア連邦外務省が提供する貴重な写真で紹介するもので、本校も展示に協力します。

日時:8月1日(火)~8月8日(火)  9:00~21:00
入場料:無料
主催:在札幌ロシア連邦総領事館
協力:ロシア極東連邦総合大学函館校・函館日ロ親善協会・函館日ロ交流史研究会
後援:函館市
場所:函館市地域交流まちづくりセンター 1階(函館市末広町4番19号) 
電話:0138-22-9700
問い合わせ:在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所 
電話:0138-24-8201

函館日ロ親善協会からのお知らせ
4~6月までの主な活動実績

○ 4月19日(水)
函館日ロ親善協会理事会を開催いたしました。

○5月26日(金)
定期総会・懇親会(於:五島軒本店)を開催しました。松本満隆会長が任期満了に伴い退任し、新会長に事務局長の小柏哲史が選任されました。後任の事務局長には極東大学の大渡涼子が就任しました。
総会終了後、在札幌ロシア連邦総領事館のアンドレイ・ファブリーチニコフ総領事から、札幌総領事館開設50周年を記念し、総領事館のこれまでの歩みと北海道とロシア極東など今後の日ロ関係の展望について、ご講演をいただきました。講演会終了後、引き続き懇親会を開催しました。

○ 6月9日(金)
札幌総領事館で開催された交流イベント「ロシアの日」に、小柏新会長が出席しました。

○ 7月以降の予定
8月11日(金)~16日(水)、函館・ウラジオストク姉妹都市提携25周年を記念し、市民訪問団による「ウラジオストクの旅」が催行されます。協会から4名の会員有志が参加します。

○2012年から参加している『はこだてグルメサーカス』ですが、今年も出店を予定しております。今年は9月2日(土)・3日(日)開催予定です。毎年好評のピロシキやボルシチをご用意する予定ですので是非ご来場ください。

≪係りより≫

1年生は、ロシア語と格闘する毎日ですが、エカテリンブルグ国際青年キャンプ、JT海外インターンシップ、北方四島交流などにも積極的に挑戦しています。(倉田)