No.91 2017.04"Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

日ロ交流の見通しについて~私の個人的な意見~

ロシア極東連邦総合大学函館校 校長 イリイン・セルゲイ

過去、現在、未来が直接つながっています。過去がなければ、現在も未来もない。面白いのは、多くの言語には文法の過去形、現在形、未来系の語尾がありますが、日本語には未来と現在の区別がありません。つまり、日本人にとって、現在と未来は一緒だと思います。その意味で、現在は未来をつくるでしょう。でも、私は過去のほうが好きです。なぜかと言いますと、過去を振り返らないと、未来をつくることができないと思います。
私は1956年10月27日生まれで、そのほぼ1週間前モスクワで日ソ共同宣言が署名されました。分からない、言葉で言えないが、でもその時から私の人生は、日本とつながっているのです。
極東大学、モスクワ大学、今の函館校などの職場で日本とロシアのために頑張っています。
最近の30~40年間の日ロ関係の歴史には、明るいより暗いページのほうが多か
ったと思います。
やっと最近、長い日ロ関係の歴史のトンネルに明かりが見えるようになりました。
政治には国民の声が大事ですけれども、政治家のリーダーも大きな役割を果たしていると思います。日ロ関係の中、今の時代は、おそらく将来、日ロ関係の「安倍プーチン雪解け」時代と呼ばれること
でしょう。
でも、政治家の前に誰が歩んでいますか。日本とロシアの国が好きな私たちです。テレビ、新聞で私たちの顔は見えないけれども、我々の役割は非常に大事だと思います。
日ロ交流の見通しが歴史上はじめて明るくなったと思います。
今年入学する新入生のみなさん、函館校の先輩たちとともに力を合わせて、日ロ関係改善のために頑張りましょう。

学務課よりお知らせ

校舎の利用時間
本校の校舎利用時間は平日8:30~17:00です。原則として平日以外は休校のため校舎内立ち入りはできません。利用時間外に校舎を利用したいときは、あらかじめ事務局に申し出てください。


校内掲示板(学生連絡)について
ほぼ毎日、学生への連絡事項を校内掲示板に貼りだします。掲示板は、学生係、教務係、進路・就職、図書室、自治会・サークル活動、事務局の6種類ありますのでそれぞれ確認してください。掲示物を見落としたことにより生じる不都合・不利益について、学校は責任を負いかねます。


出席率について
期末試験を受けるには各授業原則80%以上の出席率が必要であり、出席率が低い学生には受験資格が与えられません。
留年を防止するため特に出席率が低い学生の保護者の方には文書で通知しています。


欠席について(7日未満の欠席)
やむをえず授業を欠席するときは事務局で所定の用紙をもらい、必要事項を記入して、欠席する授業を担当する教員に届け出てください。欠席する日があらかじめわかっていれば前日までに、当日急に欠席した場合は、翌登校日に届け出てください。
欠席した場合、放課後の補習時間を利用するなどして早期に授業の遅れを取り戻すことが必要です。欠席が多くなるとそれだけ回復困難になり、授業についていけなくなりますので、普段から体調や生活リズムを整えて、安易に欠席することのないようにしてください。
なお、7日以上の長期欠席、公欠は、事務局学務課へ届け出てください。


補習について
水曜日を除く平日の放課後は毎日ロシアセンターで補習を行います。補習担当教員の当番表は教務係掲示板に掲示しています。


成績通知について
本校では保証人との連携により、学生へのより適切な修学指導を行うことを目的として、学生の成績を保証人(学生の親権者等)の方々へ通知しています。
通知は、毎年3月又は4月に行う予定です。特段の理由により、保護者への成績通知を希望しない場合は事務局へ申し出てください。
また、学生の皆さんには学業成績簿とは別に成績通知を配付します。前期の成績は、後期授業開始時の9月に配付します。また、後期の成績は翌年度の4月に配付を予定しています。
2~4年生は前年度の成績について事務局で配付しますので、下記期間内に受け取りにきてください。
    4月10日(月)~4月21日(金)
なお、期間を過ぎましたら個人情報に関わるので廃棄します。再発行はしません。

論文ガイダンス・学年レポート

3年生(学年論文)と4年生(卒業論文)を対象とする「論文」の授業は、前期から開始となります。シラバスに基づき、論文の書き方指導や論文作成を行います。
1、2年生(ロシア語科・ロシア地域学科)を対象とする学年レポートについては、後期から「論文」の授業が始まります。ただし、前期においてもテーマの決定など、論文ガイダンスを行います。開催日時は、別途掲示にてお知らせします。

JASSO奨学金

在学届の提出について(在学猶予)
本校入学以前に日本学生支援機構奨学金を貸与されていた新入生および前年度で貸与を終了した2~4年生は奨学金返還期限の猶予を申請できます。希望者は4月17日(月)までに事務局学務課に在学届を提出してください。在学届は貸与終了時に交付された「返還のてびき」に所収の様式を使用してください。
なお、在学届はインターネットからも提出できます。


進学届の提出について(採用候補者)
大学等奨学生採用候補者は決定通知【進学先提出用】を4月10日(月)までに事務局へ提出してください。入学時特別増額貸与奨学金に係る書類提出の指定があれば一緒に提出してください。書類に不備がなければ学校の識別番号(ユーザIDとパスワード)を交付しますので進学届を4月14日(金)までにインターネットで提出してください。


在学採用募集説明会(貸与希望者)
4月17日(月)14:40から7番教室で奨学金申込の説明と申請書類を配付します。希望する学生は必ず出席してください。この日どうしても出席できない場合は、事前に事務局に申し出てください。

留学説明会

4月24日(月)14:40からロシア語科2年生とロシア地域学科3年生を対象に第1回留学説明会を行います。場所は4番教室です。

図書室より

この春、ロシア語学習や論文作成の際の参考文献となる図書を大量に購入しました。ぜひ学習に役立ててください。そして、図書は大切な財産です。マナーを守って使用してください。図書室を利用できるのは、本校教職員および学生、聴講生のほか、本校教職員の紹介がある方。
開館時間は平日の午前9時から午後4時30分、貸出は同時に5冊が上限です。
一般図書の貸出日数は15日間です。日数、手続きは書物により異なります。貸出・返却は必ず事務局職員を通じて手続きをとってください。貸出が長期に渡る場合は所定の手続きが必要です。

短信

就職支援体制について
今年度も、『ハローワークはこだて』相談員による学内個別相談を定期的に開催するほか、就職ガイダンスを実施します。卒業予定者だけでなく、早い段階から就職活動に向けた準備を始めましょう。

△ジョブカフェ主催「企業と学生の交流」

また、TOEIC 対策特別講座およびТРКИ講座を開催する予定です。資格の取得に積極的に取り組んでいきましょう。

TOEIC対策特別講座
TOEICは英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテストで、企業等では採用・昇進のための必須要件となっています。函館では今年も5月と9月に公開テストが行われますが、本校では前期に学内模試とそのフォローアップからなる特別講座を開催します。自己の英語能力を把握しさらに向上を図るために是非受講しましょう。開講日程は掲示板にてお知らせします。


ТРКИ講座
ТРКИ(テルキ)は語彙・文法、読解、作文、会話、リスニングの5つのパートからなる外国人ためのロシア語能力検定試験です。
入門、基礎、1級~4級のレベル別のテストとなっており、ウラジオストク留学中にロシア語科2年生は1級を、ロシア地域学科3年生は2級の合格を目指しましょう。
当講座では、学内模試を行うほか、各パートに合格するための必要な実践的な知識を学習します。開講日程は「就職掲示板」にてお知らせします。


ビジネスセミナーについて
今年も川重商事元社長 渡辺善行氏による『ビジネスセミナー』を定期的に実施します。一般常識として必要な、時事問題や社会制度について広く勉強します。
初回は6月19日(月)の4限目です。テーマは後日掲示します。全学生の出席が必須です。

JT奨学金海外インターンシップについて
JT奨学金によるペテルブルク・モスクワへのインターンシップは今年度から3年間、継続できることとなりましたが、実施期間を夏期から冬期に変更します。これにより、ウラジオストク留学実習にあたる学年の学生も参加できることになります。
興味のある学生は下記説明会に参加してください。申し込み手続きは今までと同様、夏休み前に行いますので参加を希望する学生でパスポートを所持していない者は、今すぐ取得してください。
説明会:4月26日(水)図書室 12:40~13:00
実施期間:12月8日(金)~16(土)

オープンキャンパス

今年度のオープンキャンパスは下記の日程で2回行います。
日時:第1回 6月17日(土)午後1時~午後3時30分
   第2回 9月24日(日)午前10時~午後12時30分
1年生は模擬授業に出席します。また、学生自治会役員から、学校生活を紹介を行います。
オープンキャンパスは自治会行事でもあります。自治会役員と1年生は全員出席しましょう。

寄稿

卒業生からの寄稿
「学生生活を振り返って」ロシア語科卒 宮川 佑介

紆余曲折を経て、初めて函館のフェリー乗り場に降りた時のことは今でも鮮明に思い出すことができます。晴れ晴れとした青い空とまだ冷たい空気、ロシア語に希望を見出し勇んで海を渡った私の心と同じようにさわやかでした。しかし心の片隅には不安もありました。その時すでに私は28歳で、他の学生とのギャップは無いか、スムーズにロシア語を習得できるかなどでした。
入学式が終わり徐々に学校生活が本格化していく中で、最初に感じていた希望も不安も現実のものとなっていきました。やはりロシア語は今まで身近にあったものではなかったので憶えづらく、理解しづらい箇所もありました。でもだからこそ「もっと真剣にやらなければ」と益々やる気がみなぎり、最後まで情熱を失わずに勉強することができました。
他の学生達とのコミュニケーションも最初は硬くぎこちないものでしたが、イベントなどで共に過ごしていくうちに自然体で過ごせるようになっていきました。歌を通してロシア語の勉強をしようと思い合唱サークル『コール八幡坂』にも入りました。
こうして授業以外でも楽しみを見つけ、不安を「刺激」に変えていったことが無事に卒業できた要因の一つだと実感しています。
そしてその「刺激」の中でも最大のもの、それはロシアへの渡航でした。必修科目の留学を含め、私は幸運にも3回ロシアに渡ることができました。このうち2回目の北海道庁主催「未来のビジネスリーダー養成事業」では、ロシア進出を考えている企業の方とも接することができ、それがきっかけとなり就職へと結びつきました。積極的に学内外の活動に参加してきたことが報われたように思え、その感動は忘れることができません。
思い返せば、私は活動的な分、空回りすることも多かったと思います。そんな私の疑問に授業中丁寧に答えてくださった先生方、日ごろから学校生活を支えてくださった事務局の方々、辛い時も楽しい時も共に過ごした仲間たち、多くの方々にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

「学生生活を振り返って」ロシア地域学科卒 三好 拓

初めてロシア極東大学函館校を知ったのは、NHKラジオのロシア語講座からだった。テキストの裏表紙に広告が載っており、興味がわいたのがきっかけだった。入学の前年の秋に一度、見学に訪れた。
見学させてもらったのは1年生の会話のクラスだった。その年の春に入学した新入生が、半年余りの期間にもかかわらず、教師とタルコフスキーについて話していたのが強く印象に残った。元々、少人数制の学校を希望していた私はその時に入学することを決めた。
入学式や最初の頃の授業に感じた緊張、函館での一人暮らしの始まりに感じた高揚感は、月並な表現になるが、今でも昨日のことのように思い出すことができる。2年次には、JTから奨学金を頂き、モスクワ・ペテルブルクの日本企業へインターンシップに行った。3年次にはウラジオ本学への留学、そして北方四島交流事業で色丹島に通訳補助として参加した。どれも普段の生活では決して体験できないことばかりであり、忘れられない思い出となった。
1年次、私たちの学年は11人いた。それが家庭の事情や将来に対する新たな目標ができるなどの理由により、2年次には半数になり、最終的に4年生は、私を含めて2人が卒業する形になった。
その間、自分だけが取り残されているという気分になったことも幾度かあった。私には、4年前期の時点で自分たちの学年には、明確な目標が定まっている人間は一人もいないように見えた。それは自分にとって気楽であり、不安でもあった。心の中で、ほかの人よりも先んじて就職してやろうと思いつつも、会社面接には落ち続けていた。しかしそれはまだ同級生がいた場合の話で、仮に4年制を選択したのが私だけだったら、どうなっていたかは分からない。
結局、無事に内定も決まり、晴れて卒業と相成った。この大学に入学して学んだこと、体験したことは自分にとってかけがえのない財産であり、良き思い出になると思う。

△卒業式答辞

「第4回世界のこどもフェスティバル」で通訳を務めて
ロシア地域学科4年 奥山 茜

今年函館市と姉妹都市提携20周年を迎えるロシアのユジノサハリンスク市からやってきた民族舞踊団「プレイダンス」のアテンド通訳として、函館市職員の方一名と共に新千歳空港から函館までの道を案内しました。
2月22日夕方、新千歳空港で「プレイダンス」の団員6名と指導者、計7人を出迎え、札幌駅周辺に位置する宿泊先まで電車で移動しました。札幌駅の広い地下通路や通りにある記念像など、普段私たちが気に留めない風景を必死にカメラで撮る様子は、私が昨年留学実習先のウラジオストクでしていたことと同じでした。翌日の昼に函館へと向かう予定でしたので、夕食をホテル内のレストランで済ませた後、市街地を観光することにしました。
日本三大がっかりスポットとして知られている「時計台」や、大通公園で圧倒的な存在感を放つ「テレビ塔」、ライトアップされ赤煉瓦の美しさが雪景色と調和していた「北海道庁旧本庁舎」など、札幌観光の要となる場所を案内しました。団員の多くは初めての来日ということでしたので、天候に恵まれながらゆっくりと観光地を案内でき、よかったと思います。というのも、昨年、「第3回世界のこどもフェスティバル」のアテンド通訳として、今回とは別の舞踊団と共に札幌を訪れたときは、悪天候でしたので札幌駅に隣接する複合施設での買い物となり、これらの観光地を訪れることが出来なかったのです。
アクシデントが起こったのは翌日でした。特急電車で函館へと向かう予定だったのですが、列車の脱線事故が起こり、急遽タクシーでの移動となったのです。列車での移動を楽しみにしていた団員もいたのですが、「今回は仕方ないね。でも次に来たときは乗りたい。」と語ってくれました。タクシーが来るまでの間、買い物がしたいというので「Forever 21」に行き、試着室の使い方やサイズの有無などを確認しました(彼女達の体の細さといったらもう!)。
昼前にタクシーに乗車し、無事に夕方函館の宿舎まで彼らを送り届けることができたときは、かなり安堵しました。というのも、昨年案内した舞踊団の団員とは年齢が違う点や、出身地が同じでもロシア語のアクセントが異なる点で大いに動揺していたのです。本学での留学実習中に出会った人たちは、私がロシア語を学んでいるということを考慮し、ゆっくりと話してくれ、単語を別の言葉で言い換えてくれることもありました。
しかし、今回私は「通訳」として彼女たちと接するということで、上記の点で改めて「通訳」という仕事の大変さを実感し、ロシア語を勉強して3年目にも関わらず、まだまだ勉強不足ということが身に沁みました。
2月28日に函館校を訪れてくれた際は、市内で開催された「第4回世界のこどもフェスティバル」での発表や、小学生との交流も楽しんだようで、日本での思い出がたくさんでき、とてもうれしいと語ってくれました。

△来校した舞踏団「プレイダンス」と

函館日ロ親善協会からのお知らせ
1~3月の主な活動実績

○2月11日(土・祝)

当協会が後援するロシア極東大函館校の第19回『はこだてロシアまつり』が開催されました。「ウラジオストクの冬と春」をテーマにマースレニッツア(冬を追い出し春を呼ぶロシアの伝統行事)をメインイベント、シチー(ロシアを代表するキャベツスープ)、ブリヌィ(ロシア風クレープ)、ピロシキなどを楽しめるレストラン、チェブラーシカグッズなどを扱った雑貨販売のほか、ロシア語教室、チェス教室、学生発表、そして「コール八幡坂」による合唱などが行われました。また今年は、山口ミルコ氏講演会「がん闘病→がん克服→再出発ロシアへの旅」も開催され、たいへん多くの市民で賑わいました。
今年はユジノサハリンスク市と姉妹都市提携20周年、ウラジオストク市とは25周年の記念の年ですが、当協会でも、恒例となった「はこだてグルメサーカス」参加など様々な事業を予定しております。会員の皆様には、5月開催予定の総会において
事業計画をお示しいたしたいと思います。
新年度も皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

≪係りより≫

日ロ関係の進展が期待される中、ロシア語・ロシアを専門的に学ぼうという新たな仲間を迎えました。互いに思いやり、また切磋琢磨しながら、成長の1年となるようがんばりましょう。(倉田)