No.35 2003.04"Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

日ロ関係発展への”予測”

学校法人函館国際学園専務理事 町田 昭之助

◆記者団に質問されて、「そのような“予測”に基づいた質問には答えられない」と突っぱねているどこかの国の首相の姿を見ているとだんだん心細くなってくるのだが、そんな思いをしているのは私だけだろうか。
◆また、日本海に落下した北朝鮮のミサイル実験直後の政府内部のあわて振りを聞いていると、おそらくあの事件は“予測”さえしていなかったのではないかという疑問が湧いてきて内心ゾッとした。
◆日本語の“予測”という言葉はロシア語で「プラグノス」(PROGNOZ)と言うそうで、英語のPrognosisと同じように日常的に使われていて極めて重要な意味を持つ言葉であり、特に今後の日本とロシアの関係改善のためにはより的確な“予測”と“英知”と“決断”は必須の条件であると思うのだが・・・・
◆今年の秋には、当函館校が入っている建物(函館市交流プラザ)の中にロシア連邦札幌総領事館函館事務所(仮称)が開設されるというビッグニュースが飛び込んできたが、このことは函館市初め関係者が多年に亘り日ロ交流発祥の地の具体的な証左として熱望してきた運動の成果であり今後国内外に大きな反響を呼ぶに違いなく、この日が来ることを“予測”しつつも一日千秋の思いで待っていたイリイン校長はじめ当函館校のロシア人教員や事務局それに学生たちはこぞってこの快挙に大拍手を送りその成功のために全力でサポートすることを誓い合っている。
◆当函館校も、開校して今年で10年目を迎えその社会的使命と共に存在価値がようやく認められて名実共に日ロ交流の最先端を行く学府として高い評価を得ているが、ここへきて今後の日ロ関係が大きく前進するであろうと“予測”できる追い風現象がいくつか起きていて非常に心強い。
◆一例を挙げれば、当函館校の創立時からの推薦者ナンバーワンで日本のエネルギー産業の最大手である東京ガスの安西邦夫会長はわが国きってのロシア通で知られているが、その東京ガス(本社・東京)がこのたびサハリン石油天然ガス開発計画「サハリン2」で産出される液化天然ガス(LNG)を2007年から20年間の長期購入計画による契約合意に漕ぎ着け、同じく当函館校を強力に支援してくれている佐々木正丞社長の北海道ガス(本社・札幌)では、都市ガスの天然ガス転換を進めるため、昨年使用開始された港町大型埠頭の隣接地に近々LNG運搬船の受入れ施設や都市ガス製造工場を新設するなどの明るい話題が豊富である。
◆一方函館市は、内外を取りまくこうした情勢を早くから“予測”しながら、サハリンプロジェクトビジネスや国際コンテナ業務などの国際貿易全般を担う「函館市国際貿易プラザ」(仮称)をこの9月にも設立すべく準備を進めているようで、これらの動きに臨機に呼応して当函館校としても高度な英語力と日本一と言われるロシア語を身につけた即戦力となり得る人材の育成をコンセプトに日夜努力を続けている。
◆わが「ロシア極東国立総合大学函館校」の実績が日一日と厚みを増して、必ずや日ロ両国にとって掛けがいのない存在になるであろうことを“予測”することに、私はいささかの躊躇も感じない。                 (2003年3月記)

人事

アナトーリー先生、バランスカヤ先生が退職
3月31日付けで、アナトーリー先生とバランスカヤ先生が退職しました。
アナトーリー先生は、1994年、本校の開校とともに着任し、副校長として教育内容の充実に努められました。
バランスカヤ先生は、1996年に本校に着任し、主として、「実用ロシア語」や「ロシア語演習」の授業を担当されました。       
両先生は、授業外にあっても、ヨールカ祭、ロシア祭り、マースレニッツアといった課外の活動にも積極的に参加し、学生と共に歩んでくださいました。
また、市民団体の主催する各種のセミナーや文化教室の講師を引き受け、積極的にロシア紹介に務められました。

日本育英会

奨学生募集説明会
平成15年度日本育英会奨学生を募集します。4月17日(木)午後2時40分から第7教室で説明会を行いますので、希望者は出席してください。
当日都合で出席できない学生は事前に事務局へ申し出てください。

予約進学者は
本校入学前に日本育英会の奨学生採用候補者に決定している新入生は、進学届・確認書・振込口座届を4月18日(金)までに事務局学生係に提出してください。

再試験日程

再試験願の提出を
前年度の不合格科目のある学生を対象に4月8日(火)から4月18日(金)まで再試験期間を設けます。
再試験を受ける場合、再試験料を添えて再試験願を事務局に提出してください。その後、担当教員から試験日時の指示があります。年度を越えた再試験は、1科目1回毎に1,000円の再試験料を徴収します。
なお、期間中に合格できない場合は留年が確定し、前年度と同一学年を履修する事になります。

進路相談

個人面談の実施
ロシア語科2年生とロシア地域学科4年生を対象に進路についての個別面談を行います。
日時は4月中旬から5月中旬の放課後の予定で、学生係の掲示板に掲示します。

求人情報については、今年度も、掲示板や図書室の所定のコーナーを使って提供いたします。見落としのないようにしてください。

留学実習説明会

パスポートの取得を
 9月にウラジオストクへ留学するロシア地域学科3年生を対象とした第1回留学実習説明会を5月14日(水)午後2時40分から第5教室で行います。
第1回説明会では、留学実習の日程、留学時の注意事項や準備の手順などをお知らせします。
また、第2回説明会の際にはパスポートが必要ですから、6月中旬までに取得しておいてください。なお、第2回説明会については後日掲示します。

学生課よりお知らせ

校舎の利用時間
本校の校舎を利用できる時間は、月曜日から金曜日までの午前8時30分から午後5時までです。この時間外に校舎を利用したいときは、事務局に事前に申し出て許可を受けてください。

掲示板について
学生へのお知らせは掲示によって行われます。毎日必ず掲示板を見るよう心がけてください。

欠席した学生は
本校では出席率80%以上が期末試験の受験資格になっています。授業を欠席したときは、担当教員の補習指導を受け、遅れを取り戻しておく必要があります。積極的に補習時間を活用してください。また、授業を欠席するときは事前に欠席届を提出しなければなりません。事前の届出ができない場合は電話などで連絡し、その後速やかに届出をしてください。

短信

第7回ロシア語弁論大会・マースレニッツァ開催
2月15日(金)に第7回ロシア語弁論大会とマースレニッツァを開催しました。
過去最多の19名が出場、当校学生のほか、現在当校でロシア語研修を受けている官公庁、民間企業の方々が出場しました。また、審査員として、駐札幌ロシア連邦総領事のサプリン・ワシーリー氏、ウラジオストクの極東国立総合大学から根室西高等学校にロシア語指導助手として派遣されているガリモワ・アレクサンドラ氏、ロシア語通訳者の小杉繁氏、はこだて未来大学助教授夫人でありますリャ-ボア・イリーナ氏に参加いただきました。
大会は、ロシア語学習時間250時間未満のBクラスとそれ以外のAクラスに分かれ、Bクラスは3分間のスピーチと簡単な質疑、Aクラスは5分間のスピーチと質疑を行い、出場者は、日頃の学習成果を思う存分発揮しました。
審査の結果、Aクラスでは当校ロシア地域学科2年、寺越弓恵さんが昨年に続き優勝しました。また、当校が学生最年長、里憲さんが見事3位に入賞しました。   
Bクラスでは、門司税関福岡空港税関支署の山下貴さんが優勝し北洋銀行派遣のロシア語研修生、石川重雄さんが第3位に入賞しました。
午後からは、厳しい冬を追い払い暖かい春を待ち望むロシアの伝統行事である「マースレニッツア」を開催しました。 
今年は、冬を慕う鬼に扮した学生3名が「モレーナ」を運び登場、そこにヤギに乗った太陽が現れ、春の到来を告げ、鬼と戦う寸劇を披露。寸劇の中では、本校自慢の合唱団「コール八幡坂」の歌や教師・学生コンビによるギター演奏も行われ、大いに盛り上がりました。
最後に熊、牛を配した巨大太陽の登場により、学生が歓声を上げるなか、冬の象徴である「モレーナ」(藁人形)を燃やし尽くす儀式を行いました。「モレーナ」は2mを越す大きなもので、デルカーチ講師の指導により学生たちがおよそ2週間をかけて作製しました。
儀式の後、形が丸いことから太陽=暖かな春を象徴し、「マースレニッツア」には欠かすことのできないブリヌイ(ロシア風クレープ)やピロシキ、シャシリク(串焼肉)などを食べながら、春の到来を祈願しました。

〈第8回ロシア語弁論大会結果〉
Aクラス
 第1位 寺 越 弓 恵 (ロシア地域学科2年)
 第2位 武 内 宏 雄 (ロシア語科1年)
 第3位 里     憲 (ロシア地域学科2年)
Bクラス
 第1位 山 下 貴 久 (門司税関福岡空港税関支署)
 第2位 山 本 真 史 (函館税関紋別出張所)
 第3位 石 川 重 雄 (北洋銀行)
審査員特別賞  小道世明菜 (ロシア語科2年)
聴衆賞     里   憲 (ロシア地域学科2年) 

函館日ロ親善協会からのお知らせ
1~3月までの協会の主な活動実績

2月14日(金)
 極東大学函館校弁論大会・マースレニッツァを後援

3月14日(金)
 極東国立総合大学函館校卒業証書授与式に倉崎会長出席

3月26日(水)
 函館市国際交流団体連絡会議に倉崎会長出席

≪今後の予定≫
5月下旬
 平成15年度定期総会
 平成14年度事業報告及び収支決算、平成15年度事業計画及び収支予算案等について協議。開催日時、場所は別途ご案内いたします。

ロシア語市民講座のお知らせ

今年も5月12日(月)よりロシア語市民講座が始まります。
入門・初級・中級・上級の4コースがあり、各コースとも定員は10名です。毎週月曜日午後6時30分から8時まで、前期12回24,000円、中期12回24,000円、後期10回20,000円の全34回68,000円ですが、学生の方は割引もあります。
本校所定用紙で4月30日(水)までお申し込みください。
詳しくは本校事務局までお問い合せください。

はこだてベリョースカクラブ

ベリョースカクラブは、毎回違った角度からロシアについての話題を提供し、ロシアへの理解を深めていただくため開催しているもので、今年で5年目になります。
4・8・9月を除く毎月第3月曜日の午後3時から1時間、ロシアの楽しい話題を日本語で気軽に聞く事ができます。年会費は3,000円、4月30日までにお申し込みください。
なお、お申し込み多数の場合は、初めての方を優先させていただきます。

≪係りより≫

今年もまた、新入生を迎える時期になりました。新しい仲間と一緒に新しい1年のスタートです。
1年が過ぎるのはあっという間です。のんびりしていると何もしないうちに年をとってしまいますよ。目標を立てて計画的に時間を使いましょう。
次号のミリオン・ズビョーストは2002年7月発行です。皆さんからの投稿を募集しています。原稿締切は6月14日、楽しい話題・提案などを提供してください。(畠山)