極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

グータラ猫のウラジオ日記

 今回からウラジオストクで日本語講師をしている長谷川里子さんの連載が始まります。
 長谷川さんは青森県出身、地元の短大を卒業後、ロシア極東国立総合大学函館校ロシア語科で学び、現在に至ります。
 彼女の日常を通して見えるロシア、そして日本。楽しい話題がたくさん登場します。どうぞお楽しみに!
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ウラジオストクに住み始めてもう1年と数ヶ月がたちました。
私は、今『日本語講師』として極東国立総合大学付属東洋大学日本学部(長い!!)で働いています。いや、これは働いていると言ってもいいのだろうか!?ううーん。たぶん『勉強している・研修している』という方がしっくりきますね。あまり、働いている感はありません。
経験のない私にとって日々勉強なのです!! なんて、そんな偉そうなこともいえませんけど、何とか1年間やってこられたわけです。優しいロシア人学生と素敵な先生方に囲まれて私ったら本当にラッキー!!
とゆうことで、ただいま2年目を経験しているわけなのですが、今学期から中級のほかに初級(つまり1学年)の会話の授業もやらされて・・じゃなくて、させていただいてます。あ、言い忘れましたが、私のロシア語は初級レベルです。つまり、授業はすべて『日本語』で行っています。私のロシア語を授業で使ったりしたら、あらあらもうもう、学級崩壊ですよ。ちょっとかっこいい言葉で『直接法』って言うんですけどね。ふふふ。もっとかっこよく言えば、『ネイティブだからこそできる目標言語習得!!』。とにかく、ロシア語は使わず、説明もすべて日本語だけなのです。
しかしながら、何も知らない初級学習者に対して、目標言語(今の場合日本語)だけで授業を進めていくことは、至難の業なのです。そこで私たち日本語教師はどうするかというと、『画家』または『超オーバーリアクションアメリカ人』になるのです、たぶん。言葉で理解できないなら見て理解してくれという私の切なる願いなのです。絵を描いたり、身振り手振りで説明したり。昔、短大の時の教授が『教師は女優よぉっ!!』と豪語していたことを思い出します。だから、初級の授業も授業準備も本当に疲れてしまいます。これで、少しでもアメリカ人のように鼻が高くなってくれたらいいのに・・・。
そんなこんなで、結構日本語を教えるのも大変なのです・・・。日本人なのに実は全然日本語を分かってなかったりします。例えば『山に行く』『山へ行く』の違いがわかりますか?『に』と『へ』の違いですけど、よくこんな質問をされます。私たち日本人にとってはどちらも同じじゃないかと思うんですけど、ちゃんと違いがあるんです。ま・結局は会話になっちゃえば同じなんですけどね(とてもテキトー)、はっはっは!
もう本当に、たくさんの出来事がありすぎて文章に収めきれないのですが、これから時間があるだけ書き留めていこうと思います。まずは今回1回目・・・つまらない事ばかりですが第2回目、第3回目、第20回目が終わったら、エッセイにして出版しようかな~(笑)。
そんなもくろみもかねて、これからどうぞよろしくお願いします。
ではでは。  

2006年10月19日