極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

「森は海の恋人」の畠山重篤さん来校

函館校

 「森は海の恋人運動」をご存知ですか?宮城県気仙沼市で牡蠣養殖業を営む畠山重篤さん(写真左から2番目)が中心となり、「豊かな汽水域の恵みは豊かな森があってこそ生まれる」という点に着目し、おいしい牡蠣を育てるために気仙沼湾の上流にある森の植樹など、環境保全および環境教育活動を20年以上に渡り続けています。
東日本大震災で気仙沼の牡蠣養殖も壊滅的な被害を受けましたが、最近では復興に取り組む姿がテレビや雑誌などで取り上げられる機会も多く、目にした方もいると思います。あのルイ・ヴィトンから支援の申し出を受けたり、今年2月には、森林の育成や林業の健全な発展などに貢献したとして国連が選ぶ5人の「フォレスト・ヒーローズ」にアジア代表として選出されるなど、その活動はますます注目を集めています。
現在はカキの森書房から出版されている児童書「カキじいさんとしげぼう」の英語版が、国連での「フォレスト・ヒーローズ」授賞式に合わせて作られ、「森は海の恋人運動」を世界に紹介するものとして好評だったそうです。
畠山さんの活動は気仙沼に留まらず、どんどん広がっています。日本の海は世界の森、そしてロシアのアムールを始めとする川や、その流域に広がる大湿地帯に支えられ、地球規模で循環していることを解明した「アムール・オホーツク・プロジェクト」へとつながります。
そのことをロシアの子どもたちにも伝えたいと、今度は「カキじいさんとしげぼう」のロシア語版を作成することになりました。そして畠山重篤さんと、カキの森書房を運営する次男の耕さん(写真右から3番目)が、先日函館校を訪ねてくださいました。
実は重篤さんの弟、重人さん(写真右端)は、定年退職後に函館校に入学し、この春めでたく卒業したばかりです。そんなご縁から、「カキじいさんとしげぼう」のロシア語版翻訳を、函館校の先生方がお引き受けすることになりました。
詳細については未定ですが、素敵なロシア語訳になって、ロシアの子どもたちへのメッセージとして届けられる日も近いでしょう。