極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
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ロシア旅行~アルタイ山脈~

はこだてベリョースカクラブ

一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」今年度第3回目の講話内容です。

テーマ: ロシア旅行~アルタイ山脈~

講 師:スレイメノヴァ・アイーダ(教授)

アルタイ山脈は、西シベリア、モンゴル、カザフスタンにまたがる山脈で、漢字で「阿爾泰山脈」とも書かれる場所です。モンゴル語で「金の山」を意味するалт-тайが由来です。

私は子どものころからアルタイに行きたいと思っていて、2015年にウラジオストクから出かけました。旅行の目的は2つ、バイカル湖の訪問とアルタイ共和国のアドベンチャー。今回はアルタイ共和国のアドベンチャーについてお話させていただきたいです。

アルタイ共和国はアジアの中央に位置するロシア連邦内の自治共和国です。隣接するアルタイ地方とは異なります。アルタイ地方は平地で農業畑地の地方であり、ロシア人もアルタイ人もカザフ人も一緒に暮らしています。一方、アルタイ共和国は国境に近い高い山地方です。

私は小学生の時、あるきれいな中央アジアの童話を読みました。この民話によると、アルタイ山脈には「ベルーハ(白い山)」という山があり、この山の地下に洞窟があってこれがチベット山脈の地下洞窟とつながっているので、アルタイ山脈からチベットの天国シャンバラへ歩ける、という仮説がありました。ロシアの旧教徒たちの間では、ベルーハ地方には「ベロヴォージエ(白い水の国)」という幸せの人たちの国があり、誰でも入れるのではなく、選ばれた人だけができる、ということでした。私も一生涯一回この山に近づきたいと思い、アルタイ共和国に着いたのでした。

(このあと、アイーダ先生が実際に辿った経路や現地で目にしたもの、アルタイ人の文化や歴史などについて、写真を見せながらお話ししました。)