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特別授業「私のロシア語学習・ロシア語通訳」を行いました

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 函館ハリストス正教会山崎ひとみ氏による特別授業「私のロシア語学習・ロシア語通訳」が、1月13日(金)に行われました。P1070318_R.JPG
 講師の山崎ひとみ氏は、上智大学外国語学部露語学科在学中、運輸省(現・国土交通省)主催ロシア語通訳・ガイド試験に合格し、卒業後は対ソ専門商社に勤務。その後、ロシア正教会レニングラード神学校に留学し、聖歌隊指揮科で3年間学び、帰国後は、ご自身が立ち上げた日本ユーラシア協会長野県ロシア語支部でロシア語教師を務め、2008年からは夫のニコライ・ドミートリエフ神父と共に函館ハリストス正教会に赴任されるなど、多彩な経験をお持ちの方です。

 このたびの特別講義では、「ロシア語との関わりの個人史」ということで、冒頭、高校時代のソ連旅行がその後の人生に大きく影響したことについて触れました。大学入学後は通学中の電車の中で日々露和辞書を「読み」、単語を例文と共にひたすら覚え、大学3年の時には4年生で使う教科書を独学で学習し終え、学外では先輩たちの通訳現場に顔を出すなど、学生時代に貪欲にロシア語を学んできたご自身についてお話され、また、あらゆる場面で自分の専門分野が何かを模索し、見出すことの大切さについて語られました。

 1980年に設立された「ロシア語通訳協会」は、通訳者を守るために、きちんとした料金基準を示した規定をつくることから始まったこと、そしてクラス(ロシア語能力)による料金についてなど、具体な説明がありました。入会には会員2名からの推薦が必要で、ご自身は、米原万里さんと森俊一先生(共に故人)から推薦をいただいたこと。「通訳」であることの前に「社会人」として通用するかどうかという目線も大切であること。日本について無知であっては「お話にならない」こと。通訳は黒子に徹しなければならないことなど、お話は多年にわたる通訳経験に裏打ちされたものでした。

 さらに、ロシア語を教えた経験から、とかく生徒はロシア語を学ぶというプロセスを楽しんでしまい、習得したものをどのように使っていくかということまで考えていないことが残念だが、これはなかなか難しい問題で、すぐには答えが出るものではないが、真剣に考えていたら、必ず答えが出てくる!という応援メッセージもありました。

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 講義の最後は、ロシア語通訳・ロシア語教師に仮にならないとしても、函館校で「ロシア」と触れ合った経験は、自分の人生の中で決して小さくない宝物になるであろうこと。そして幅の広い、奥行きの広い人間になるはずだ。理想を大きく持ち、日々を堅実に生きることができれば、「ロシア」はあなたに自分の限界を超える可能性を与えてくれるでしょう、という言葉で結ばれました。

 このたびの講義から、学生たちは多くの刺激を受けました。自分の日々の学習態度を振り返り、今後の目標や将来について真剣に考えるきっかけをいただきました。また、山崎先生のお話しする姿を見て、「理想を追い続けて毎日を堅実に生きることができるような素敵な人になりたい」、という感想も聞かれました。 
 貴重なお話をお聞かせいただき、どうもありがとうございました。