学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.92 2017.7 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

「ユル・ブリンナー」/ロシア極東連邦総合大学函館校教授パドスーシヌィ・ワレリー

  ウラジオストクのほぼ中心地、鉄道駅に程近く小高い場所に、美しく古い家が建っています。
  その建物の正面には1920年7月11日この世に生を受けた人物の記念碑があり、私たちの目に留まります。その人物とは、今ではアメリカ映画・舞台の俳優として有名なユーリー・ボリソヴィチ・ブリンナーです。
  そのウラジオストク出身で有名な人物の祖父は、ジュリ・ブリンナーといいます。彼はスイスに生まれました。16歳で家を出て船で上海に渡り、そこから日本の横浜に辿りつきます。
  彼は、あるイギリスの会社の仕事をみつけ、そこで数年働きました。雇い主が亡くなった後、会社はジュリが所有することになりました。
  彼は日本人女性と結婚し、子どもが生まれます。しかしジュリは、突然日本の家族を捨てウラジオストクへと渡って行ってしまったのでした。
  彼はウラジオストクでロシア国籍を得て、再び結婚します。今度の妻はロシア人でした。
  彼の息子の一人ボリス・ブリンナーは、ペテルブルグ大学で学んでいて、そのときにウラジオストクの医者の娘マルサ・ブラガヴィドヴァと知り合います。1914年に彼らは結婚します。まもなくして一家はウラジオストクに戻り、そこで息子ユーリーが生まれます。
  ロシアでの革命後ブリンナーの家族は中国のハルビンに移住します。
  ユーリーは、アメリカンスクールYMCAで学んでいました。14歳になった彼は、単身中国からパリへと移住します。
  その建物の正面には1920年7月11日この世に生を受けた人物の記念碑があり、私たちの目に留まります。その人物とは、今ではアメリカ映画・舞台の俳優として有名なユーリー・ボリソヴィチ・ブリンナーです。
  1935年7月15日、そのパリでユル・ブリンナーはデビューを果たします。彼は、パリのとあるキャバレーでジプシーの歌を歌っていました。
  ジプシーアンサンブルで短期間働き、その後はサーカスの曲芸師として2年働いていました。そんなある時、高い場所から落ちて骨折してしまいます。そのため丸一年スイスで治療していたことがありました。
  その後1938年にスイスに戻りロシア劇場で学ぶことにしますが、1941年にはミハイル・チェーホフの演劇学校で学ぶためにアメリカに渡ったのでした。
  1941年12月2日、ユル・ブリンナーは人生で初めて芝居の役を演じました。
  1943年、ユル・ブリンナーは映画スターヴァージニア・ギルモアと結婚します。そして1946年にユルとヴァージニアはニューヨークに移り住みます。
  ユル・ブリンナーは運転手として働き、夜はクラブで歌っていました。その1年後、彼と妻はテレビの仕事を得ます。ユルには演劇俳優としての役も与えられました。
  その頃、有名な作家リチャード・ロジャースとオスカー・ハンマーシュタインがミュージカル『王様と私』を書き上げます。ブリンナーは見事オーディションに受かり王様の役を得ました。ここからユル・ブリンナーの栄光が始まります。
  1956年2月26日にミュージカルの初演が行われました。舞台は、第一回から大成功を収めました。このミュージカルは30年続き、ユル・ブリンナーは4633回出演しました。
  1956年にはミュージカルが映画化され、その主役もブリンナーが演じます。1957年春には、この役でオスカー賞を受賞しました。
  ほぼ同時期に、映画『追想(アナスタシア)』に続き、『モーゼの十戒』、『カラマーゾフの兄弟』、『隊長ブーリバ』などの有名な映画が公開されます。しかしながら、ブリンナー出演で最も有名な映画となったのは、黒澤明の『七人の侍』をリメイクした映画『荒野の七人』でした。
  ユルが1958年から携わったこの映画は、1960年には封切りされ、途方もない興行的成功を収めます。そしてこの映画がユル・ブリンナーの映画での頂点となりました。その後20年以上にわたり映画に出演しますが、この映画以上の作品に出会うことはありませんでした。
  1985年6月30日ニューヨークでは、ユル・ブリンナー主演『王様と私』の最後のミュージカルが上演されました。
  ユルは死期が近いことを知っていました。既に重篤な状態だったのです。
  死の数日前、喫煙を止めるよう呼びかけるテレビCMを撮影しました。
  1985年10月10日死去。
  2005年9月14日、ウラジオストクのアレウスカヤ通りの家にユル・ブリンナーの記念プレートが創られました。
  2012年9月28日俳優が生まれた家の傍では、記念碑の除幕が行われました。この記念碑は、すぐさまウラジオストクの名所のひとつとなりました。
  ウラジオストクに行く機会がありましたら、日本とも所縁のある俳優ユル・ブリンナーの生家をぜひ訪れてみてください。

ユル・ブリンナー

学務課おしらせ

前期試験日程

  今年度の前期試験を下記の通り実施します。ザチョット週間は、通常の時間割どおりに行われます。
  エグザメン週間の日程については、掲示にてお知らせしますので確認してください。

   ザチョット:7月24日(月)~7月28日(金)
   エグザメン:7月31日(月)~8月10日(木)

成績通知について

  前期の成績は、後期授業開始時の9月に配付します。配付は事務局で行いますので、期間内に受け取りに来てください。

  9月11日(月)~9月22日(金)

  なお、期間を過ぎましたら個人情報にかかわるので廃棄します。再発行はしませんので、希望者は必ず受け取りに来てください。

夏季休業

  今年度の夏季休業は、8月14日(月)から9月8日(金)です。夏季休業中も平日は校舎の利用はできますが、8月11日(金)から16日(水)の間は、事務局休業のため校舎を閉鎖します。この期間は各種証明書の発行もできませんので注意願います。
  後期授業は9月11日(月)より始まります。

短信

特別講義「日ロ貿易論」が開講されました

  3本校では、年に1回、全学年の学生を対象に、杉本侃客員教授による特別講義「日ロ貿易論」を実施しています。
  杉本先生は、東京外国語大学ロシア学科を卒業後、(社)ソ連東欧貿易会(現:ロシアNIS貿易会)、サハリン石油開発機構(株)に長年勤務、さらに日本経団連日ロ経済委員会事務局長、ERINA(環日本海経済研究所)副所長などを歴任し、ソ連時代から現在に至るまでの長きにわたり、日ソ・日ロ経済関係、なかでもエネルギー問題の専門家として活躍されています。
  冒頭、「日ロ関係-そよ風か完風が」、という問いかけに始まり、
  1.「制裁」に順応-ロシア経済
  2.日ロ貿易-回復の兆しか??
  3.首脳主導の経済協力「8分野」
  の3つを軸に進められました。
  本論では、1989年から2016年までの日ロ貿易高の推移を見ながら、日本からの輸出入の特徴を概観した後、主要な輸出入品目について2012年以降の動向を分析しながら、日ロ貿易が「2017年は持ち直す???」と予想されました。
  次に、2013年4月29日のモスクワでの日ロ首脳会談から2017年4月27日のモスクワでの会談まで、計14回(+3回)のトップ会談が「シンゾー・ウラヂーミルの間柄」で行われたことについて説明がありました。
  続いて、「首脳間合意の日ロ経済協力8分野」について解説があり、128件の合意について、杉本先生が独自に作成された「日本とロシアの協力文書一覧」を基に、詳しい解説がありました。
  このほか、エカテリンブルクで開催される「イノプロム(ロシア最大の産業総合博覧会)」についても触れていただきました。というのも、「イノプロム」の2017年のパートナーカントリーが日本であることから、今年7月にエカテリンブルクで行われる学生交流(日露青年交流センター主催)に函館校からも6名の学生が参加するためです。
  結びの言葉は、「ロシア語の世界(職場)は広がる!!!」、でした。目標を定め、これだけは自分はだれにも負けないと誇れるロシア問題のプロになってほしい、という力強い応援メッセージでした。
  今回もまた、貴重かつ有益なアドバイスをいただき、学生は刺激を受けたようです。

日ロ貿易論

第1回オープンキャンパス終了

  去る6月17日(土)に第1回オープンキャンパスを実施しました。今回は12名(うち4名はご家族の方)の参加者をお迎えしました。   デルカーチ・フョードル副校長による1年生の模擬授業は、ロシア語学習を始める前の参加者のみなさんには、内容が思った以上に高度だと感じたかもしれません。
  オープンキャンパスは、学生自治会行事でもあります。そのため、自治会役員は、入学式、授業、ウラジオストク本学への留学、そして学内行事の言語まつり「АБВГ-Day(アーベーヴェーゲー・デイ)」、合唱サークル「コール八幡坂」、そして学校推薦者が参加する学外行事「JT夏季短期インターンシップ」と「北方四島訪問(ビザなし交流)」などについて、役員全員が各自の体験を交えながら「学生生活」を紹介しました。
  教職員および在校生との懇談では、ピロシキ(ロシアのパン)とロシアンティーを楽しみながら、ロシア語の授業のこと、毎日の生活について話題になりました。また、今回は函館市内・近郊のみならず、東北、首都圏、中国地方からお集まりいただいており、函館での生活に関する質問もありました。

第1回オープンキャンパス

  参加者の中には、高校1年生や2年生、あるいは数年後の入学を検討している社会人の方々もいらっしゃいましたが、オープンキャンパスは、授業内容や学校の雰囲気を知る絶好の機会です。
  1年生と自治会役員のみなさんは、お疲れさまでした。

就職支援体制について

  4月から、『ハローワークはこだて』ジョブサポーターによる個別相談や、事務局および外部講師による就職対策や個別指導(履歴書の作成、面接の受け方など)を定期的に行っています。
  また、6月19日(月)には川重商事元社長・渡辺善行氏による「ビジネスセミナー」(テーマ「『会社』の成り立ちと課題」)を開講しました。

留学実習説明会

  今年度のウラジオストクへの留学実習は9月12日(火)に出発することが決定しました。現在は、その準備のために月に1度説明会を実施しています。
  6月16日(金)に行われた第3回留学実習説明会では、留学に行く学生は必ず加入しなくてはならない海外旅行保険について説明しました。

  第4回留学実習説明会は昨年度、留学実習に行った4年生からウラジオストクの街の様子や新キャンパスの様子について話を聞きます。
  日時は下記の通りです。対象学生は必ず出席しましょう。

  日時:7月7日(金)16:10~
  場所:4番教室
  対象学生:ロシア語科2年、ロシア地域学科3年

総合学習等受け入れ

  本校では、修学旅行・宿泊研修・総合学習向けプログラムを実施しています。
  今年度は既に、以下の3校の中学生と高校生のみなさんが来校されました。

  5月12日(金) 北海道南茅部高等学校1年生13名
  5月17日(水) 宮城教育大学附属中学校2年生4名
  6月2日(金) 北海道北斗高等支援学校1年生11名

  本校ロシア人教師と共に、1時間半から2時間かけて、ロシアの歴史地理や簡単なロシア語のあいさつを勉強し、また、ロシア語のアルファベット表を見ながら自分の名前をカードに書き、ロシアの民族衣装体験をしました。隣国ロシアを身近に感じていただけたのではないでしょうか。
  このほか、8月1日(火)~3日(木)には県立青森南高校外国語科でロシア語を勉強する3年生2名が来校し、「ロシア語集中セミナーin函館」を開講します。函館校で複数のロシア人教員から教わることによりロシア語に磨きをかけ、函館とロシアの交流史についても学ぶ予定です。

JT奨学金

  日本たばこ産業株式会社(JT)提供の奨学金が、今年度からさらに3年間継続されることになりました。年間1,529,600円で、学生の学習意欲の向上を図るため①ウラジオストク本学への留学実習、②海外インターンシップ(サンクトぺテルブルク・モスクワ8日間)の2種類の事業について給付されます。
  ①に関しては9月に出発する学生のうち4名について採用が決定し、成田―ウラジオ往復航空券と寮費が給付されます。
  ②のインターンシップ研修は、過去3年間は夏季休暇中に実施していましたが、今年は12月9日(土)出発に変更されます。
  こちらもすでに4名の学生の採用が決定し、杉本客員教授やビジネスセミナー渡辺講師による企業研究など事前学習が始まっています。また今年度からインターンシップは選択科目として履修認定されます。
  ①、②とも、学生にとっては経済的負担が少ない中で在学中に見聞を広める絶好の機会です。卒業後の進路に生かせるよう、現地では積極的に行動し、たくさんのことを吸収するよう願います。

エカテリンブルグ国際青年キャンプ

  政府の日露青年交流事業「エカテリンブルグ国際青年キャンプ」が7月11日(火)~18日(火)に行われます。日本から派遣される16名の学生(阪大、東京外大ほか)のうち本校から6名が選ばれました。
  現地ではロシア人学生20名とともに木彫りや書道のワークショップ、ウラル山脈ハイキング、スポーツなどで交流を図ります。現地で開催される「イノプロム」を見学するなど盛りだくさんなプログラムです。これは2017年ウラル日本週間に合わせて開催されるもので、ロシア人学生との交流はもちろん、日本の他大学の学生との団体行動も大いに刺激となるでしょう。
  イノプロム見学に向けて、6月19日(月)にはビジネスセミナー渡辺講師による「最新の技術分野」研究が行われました。また市内在住でエカテリンブルグ出身の遠峯エレーナさんを招いて座談会を行いました。エカテリンブルグの街の様子やキャンプ場での注意事項など地元の人ならではの情報を写真を見ながら教えていただきました。

国際青年キャンプ

  エレーナさん自身がウラル大学在学中に初めて日本に来たのも日露青年交流事業だったそうで、その後大阪外大(現・阪大)に日本の文部科学省から奨学金を得て留学した話など、学生にとって大変参考になるお話も聞くことができました。
  参加学生は準備万端でキャンプに臨みます。帰国後の報告にご期待ください。