学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.87 2016.4 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

北の地の「春」/ロシア極東連邦総合大学函館校准教授・学務課長倉田 有佳

  4月。新学期。新たな一歩を踏み出す季節である。長い冬の末にやってくる春は、それ自体が喜びだ。生まれ育ったのは陽光溢れる温暖な地だが、北の地での暮らしは既に25年にも及ぶ。札幌を皮切りに、根室、モスクワ、ウラジオストク、そして函館に至る。

  札幌での最初の秋、通っていたロシア語クラスのロシア人教師が「秋」のイメージを問うた。日本人の生徒たちは、口をそろえて「長雨」、「氷雨」と答えた。秋のイメージと言えば、「空高き秋」、「澄んだ青空」、「運動会」が当たり前と考えていただけに、その時の驚きは大きかった。だがそれ以上に衝撃だったのは、モスクワ出身のロシア人教師と北海道在住の日本人の「秋」のイメージが一致していたことである。
  春。高校時代までは、新たな環境に適応しなければならない4月は、精神的試練の時だった。「朧月夜」、「春眠暁を覚えず」、という言葉があるように、春の気怠さも好きにはなれなかった。だが、モスクワで迎えた春には、それまでに味わったことのないほど大きな感動があった。

  ソ連邦が崩壊した1991年の冬は、冬時間の設定の関係だろうか、午後3時半か4時には外は真っ暗だった。それだけでも気持ちが滅入るというのに、初めての冬は、極寒に耐えうる靴や靴下の用意をしていなかったため、足の先からくる疼痛に苦しめられた。車内が完全に冷え切ったトロリーバスから降りて、寮までのわずか10分程度の距離を歩くことがどれほど辛かったことか。
  冬の生活の厳しさは、寒さや天候だけではない。日本の八百屋が夢にまで現れたことがある。レタスでもなんでも、好きな葉物野菜を自由に買っている自分がいた。特にサラダ好きというわけでもないが、夢に見るほど新鮮な野菜に飢えていたということか。
  だが1月も半ばを過ぎる頃、太陽の光が日に日に増し、うつ気味だった気持ちは一気に上向き、全身に力がみなぎって来る。レーニン丘(現雀が丘)に建つ大学寮の周りの林からは、小鳥のさえずりが聞こえるようになる。寮に年中巣食っている小さな虫たちも、冬の間の動きの鈍さからは想像もできぬほど、突然俊敏な動きへと変わる。
  大学のグランドでは男子学生たちが雪のまだ残る中、サッカーを始める。休日の昼間には、寮の部屋の二重窓を開け放ち、ラジカセを外に向けて大音響で音楽を流す学生が現れる。真夜中、男子学生数名が春の夜道をそぞろ歩きしながら、「ウオオー」、「ウオオー」と咆哮する。いずれも北の地ならではの春の風物詩だが、生きとし生けるものすべてに生命力を吹き込むのが春であることを身を持って体験する。これこそ北の地に暮らす醍醐味と言えよう。

  さて、今年の春、函館校には13名が入学することになった。近年は、南は九州・沖縄と、全国各地から集まる傾向があるが、今年の新入生の半数近くは道内・青森出身者で占められている。道内では雪が少なく、温暖と言われる函館だが、最初の冬は慣れぬ雪で苦労することだろう。だが北の地でしか味わえない春の喜びを味わうことにもなるだろう。寒さ厳しく、雪が多い年ほど春は輝かしく、喜びはひとしおである。人生もまた然りである。 
  新入生は4月からロシア語に懸命に取り組むことになる。在校生もまた、新たな学年を迎え、これまでよりも少し高めの目標を定め、それに向かって挑戦してほしい。大きな苦難や試練の後には、すばらしい「春」が実感できることを信じて。

人事

新しい先生が着任しました

  昨年3月末で退職したアニケーエフ・セルゲイ教授の後任として、3月25日にウラジオストク本学よりスレイメノヴァ・アイーダ准教授が着任しました。
  文学に造詣が深く、与謝野晶子をはじめとする近代日本文学の研究をされており、来日経験も豊富です。2~4年生のロシア文学史ほか、実用ロシア語会話や通訳翻訳の演習を担当します。

学務課よりお知らせ

校舎の利用時間

  本校の校舎利用時間は平日8:30~17:00です。原則として平日以外は休校のため校舎内立ち入りはできません。利用時間外に校舎を利用したいときは、あらかじめ事務局に申し出てください。

校内掲示板(学生連絡)について

  ほぼ毎日、学生への連絡事項を校内掲示板に貼りだします。掲示板は、学生係、教務係、進路・就職、図書室、自治会・サークル活動、事務局の6種類ありますのでそれぞれ確認してください。掲示物を見落としたことにより生じる不都合・不利益について、学校は責任を負いかねます。

出席率について

  期末試験を受けるには各授業原則80%以上の出席率が必要であり、出席率が低い学生には受験資格が与えられません。
  留年を防止するため特に出席率が低い学生の保護者の方には文書で通知しています。

欠席について(7日未満の欠席)

  やむをえず授業を欠席するときは事務局で所定の用紙をもらい、必要事項を記入して、欠席する授業を担当する教員に届け出てください。欠席する日があらかじめわかっていれば前日までに届け出てください。当日急に欠席した場合は、翌登校日に届け出てください。
  欠席した場合、放課後の補習時間を利用するなどして早期に授業の遅れを取り戻すことが必要です。欠席が多くなるとそれだけ回復困難になり、授業についていけなくなりますので、普段から体調や生活リズムを整えて、安易に欠席することのないようにしてください。
  なお、7日以上の長期欠席、公欠は、事務局学務課へ届け出てください。

補習について

  平日の放課後は毎日ロシアセンターで補習を行います。補習担当教員の当番表は教務係掲示板に掲示しています。

論文ガイダンス・学年レポート

  学年論文と卒業論文執筆者(3、4年生)を対象とする論文ガイダンスを4月に実施します。論文ガイダンスにおいては「論文ガイドブック」を配布し、論文執筆の取り組み方、またその実際的な問題についての説明を行います。また論文に関する年間スケジュールの確認も行います。
  1、2年生(ロシア語科・ロシア地域学科)を対象とする学年レポートのガイダンスについては掲示にて開催日時をお知らせします。

JASSO奨学金

在学届の提出について(在学猶予)

  本校入学以前に日本学生支援機構奨学金を貸与されていた新入生および前年度で貸与を終了した2~4年生は奨学金返還期限の猶予を申請できます。希望者は4月18日(月)までに事務局学務課に在学届を提出してください。在学届は貸与終了時に交付された「返還のてびき」に所収の様式を使用してください。
  なお、在学届はインターネットからも提出できます。

進学届の提出について(採用候補者)

  大学等奨学生採用候補者は決定通知【進学先提出用】を4月8日(金)までに事務局へ提出してください。入学時特別増額貸与奨学金に係る書類提出の指定があれば一緒に提出してください。書類に不備がなければ学校の識別番号(ユーザIDとパスワード)を交付しますので進学届を4月15日(金)までにインターネットで提出してください。

在学採用募集説明会(貸与希望者)

  4月15日(金)16:10から7番教室で奨学金申込の説明と申請書類を配付します。希望する学生は必ず出席してください。この日どうしても出席できない場合は、事前に事務局に申し出てください。

留学説明会

  4月25日(月)14:40からロシア語科2年生とロシア地域学科3年生を対象に第1回留学説明会を行います。場所は4番教室です。

図書室より

  この春、就職対策や論文作成の参考となる図書を大量に購入しました。ぜひ学習に役立ててください。そして、図書は大切な財産です。マナーを守って使用してください。図書室を利用できるのは、本校教職員および学生、聴講生のほか、本校教職員の紹介がある方。
  開館時間は平日の午前9時から午後4時30分、貸出は同時に5冊が上限です。
  一般図書の貸出日数は15日間です。日数、手続きは書物により異なります。貸出・返却は必ず事務局職員を通じて手続きをとってください。貸出が長期に渡る場合は所定の手続きが必要です。