学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.84 2015.7 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

「西部地区ならでは… 極東大函館校に勤務して 」/ロシア極東連邦総合大学函館校事務局長筑土 清彦

  教職員室の窓から見える函館港の海の青さとともに夏本番を思わせる強い陽射しを受けた木々の緑が眩しく感じられます。春の訪れが例年より早かった今年の函館、4月下旬の桃色・桜の季節から白や赤のツツジ、そして紫のライラックと春から初夏にかけて色とりどりに咲く花々が街中に彩りを添えてくれました。

  極東大函館校に着任し、まもなく100日を数えます。同じ学校でも小学校での勤務を続けてきた私にとって、この3ヶ月間は新たな出会いと職場環境の変化により、学びの連続でした。そして今も試行錯誤しながらの毎日を過ごしていますが、本校に勤務することができてうれしく感じていることがあります。

  まず、テレビや映画など、映像による音声でしか聴くことのなかったロシア語でしたが、日常生活の中で初めて耳にしたロシア語は、新鮮で驚きでした。勤務校が学校紹介用パンフレットでうたっている「ロシアのスペシャリストを育成する学校である」ということを改めて実感しました。現在、21世紀を生き抜く若者に必要とされ、物事を地球規模で考えることのできる「グローバル人材」の育成が企業では不可欠といわれます。そのような中、耳に入ってくる会話は理解できなくても、最適な環境に身を置けることで自分なりに少しだけグローバルな気分になれます。とかく自身にとって必要性や切実感がないと重視しなくてはならないことがらであっても忘れたり軽視したりなりがちです。本校に勤務できたことで、ここしばらく縁遠かった外国語を身近に感じ、時代に即応できなくても感じることはできるので恵まれていると思っています。

  次に、函館の顔である西部地区について、これまで以上に知りうる機会を得たことです。昨年秋に認知度や魅力度、地域イメージなど、70以上の評価項目がある「地域ブランド調査」で函館が全国第1位に輝いたことは記憶に新しいところです。昨年に限らず調査結果が毎年上位なのは、西部地区の「異国情緒」あふれる街並みが港町函館の雰囲気をいっそう高めているのだと思っています。そのことは函館の地を離れた15年ほど前、日高管内静内町(現新ひだか町)に勤務したときに感じました。町内にある小・中学校合わせて10校の代表が集まる会議の後、自身の出身地の話になりました。というのは、10名のうち地元出身者は3~4名で他は胆振や石狩管内、遠くは上川・根室そして渡島と全道各地から集まっていたからです。今でもよく覚えているのは「函館から赴任した」と話すとうらやましがられ、「ぜひ函館に旅行したい」と全員からいわれました。函館が褒められたことから「函館の魅力とは?」と聞くと、「モダン」「レトロ」「ハイカラ」「エキゾチック」などの外来語が返ってきました。実際のところ、「100万ドルの夜景」「ベイエリアの赤レンガ倉庫群」「教会や西洋建築物」などを挙げていたことから、外から感じる函館の魅力とは「西部地区が醸し出す自然や歴史・文化」であり、それが「異国情緒」として多くの人を魅了する力なのだと過ぎし日の会話から感じました。

  終わりに、私は大学を卒業して函館市内の学校8校に勤務しましたが、昔の思い出もあり、いつかは西部地区で勤めることができれば…と思っていました。それは、小学校時代、今から半世紀以上も前のことになりますが、毎日曜日の午前中、公民館に通っていたからです。函館競輪場の近くにある実家からバスや電車に乗り継いでの稽古事は小学生にとって遠い道のりでしたが、映画館や飲食店・喫茶店、そして現在本町にある丸井デパートも当時は十字街にあり、人通りが多く街全体に活気を感じました。かつての景観は変わっても区画された道路は今も同様で、通勤時に昭和の面影とともに幼少時を思い起こすことができ懐かしく感じています。

  「ロシア語に近づこう」とテレビで放映されている「ロシア語講座」を4月から録画していますが、自身の記憶容量が少ないことから録画本数は増えるばかりです。何とかして少しずつ消去できるようにしたいと思っているところです。そこで、記憶する手法として、これまでも意識し活用してきた学習定着率の指標であるラーニング・ピラミッドを取り入れようと考えています。その学習方法には「資料や書籍を読む」「ビデオや音声などによる学習」等がありますが、「学んだことを他人に教える」ということが最も有効で、その反復が知識の習得・定着につながるのだそうです。「千里の道も一歩から」、そして「継続は力なり」。まずは家族に教えずとも伝え楽しむということを心に留め、ロシアの文化に親しんでいきたいと思います。

学務課お知らせ

前期試験日程

  今年度の前期試験を下記の通り実施します。ザチョット週間は、通常の時間割どおりに行われます。
  エグザメン週間の日程については、掲示にてお知らせしますので確認してください

ザチョット7月21日(火)~7月27日(月)
エグザメン7月28日(火)~8月7日(金)

зачётная книжкаの 配付

  ザチョットナヤ・クニーシカは試験を受ける際に必要な成績簿です。卒業までの履修科目とその成績が記録される大切なものです。粗雑に扱わないようにしてください。
  期末試験期間中は、このザチョットナヤ・クニーシカを必ず携帯し、登校してください。
  7月半ばに配付する予定です。掲示を忘れずに確認してください。

夏季休業

  今年度の夏季休業は、8月10日(月)から9月11日(金)です。夏季休業中も平日は校舎の利用はできますが、8月12日(水)から14日(金)の3日間は、事務局休業のため校舎を閉鎖します。この期間は各種証明書の発行もできませんので注意願います。
  後期授業は9月14日(月)より始まります。

短信


▲特別講義「日ロ貿易論」が開講されました


  本校では、年に1回、杉本客員教授による特別講義「日ロ貿易論」を実施しています。
  杉本先生は、東京外国語大学ロシア学科を卒業後、(社)ソ連東欧貿易会(現:ロシアNIS貿易会)、サハリン石油開発機構㈱に長年勤務され、さらに日本経団連日ロ経済委員会事務局長などを歴任、現在はERINA(環日本海経済研究所)副所長として、ソ連時代から現在に至るまでの長きにわたり、日ソ・日ロ経済関係、なかでもエネルギー問題の専門家として活躍されています。
  本年度は、始めにウクライナ問題の現状、続いてウクライナ問題がロシア経済や日ロ貿易に与えている影響についてお話され、後半は、近刊のご著書『サハリンの石油天然ガス開発 -日ロエネルギー協力の歴史と期待』(日本評論社)で詳しく触れている、サハリンにおける石油天然ガス開発の歴史と今後の展望について講義いただきました。

講師:杉本 侃(本校客員教授)
日時:6月9日(火)
14:40~16:10
始めに:ウクライナ問題
1.不振きわまるロシア経済
2.減速する日ロ貿易
3.サハリンの石油ガス開発
(1)日ソ・日ロエネルギー協力
(2)サハリンプロジェクトの現状
終わりに:新しい世界秩序の構築に向けて

第1回オープンキャンパス終了

  去る6月20日(土)に第1回オープンキャンパスを実施しました。今回は、10名の参加者をお迎えしました。
  イリイナ准教授による1年生の模擬授業では、参加者のみなさんにも加わっていただきました。1年生にとっては、日頃の学習の成果を披露する場にもなりました。徐々にロシア語力が身についてきた様子が、参加者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。



  オープンキャンパスは、学生自治会行事でもあります。4月に就任した2年生の自治会新役員が、学校行事や学生生活ついて写真と共に紹介しました。



  教職員および在校生との懇談では、ピロシキ(ロシアのパン)とロシアンティーを楽しみながら、ロシア語の授業のこと、毎日宿題に追われていることなど、在校生は日々の学校生活についてお話しました。最後に、「来年はこの学校で一緒に勉強しましょう」、と呼びかける学生もいました。

ホームページのリニューアル

  函館校ホームページが新しくなりました。デザインをリニューアルして見やすくなったほか、スマートフォン版も新たに作成しましたので、ぜひご覧ください。

JT奨学金

在学届の提出について(在学猶予)

  昨年度から3年間の予定で、日本たばこ産業株式会社(JT)からの提供により、奨学金を給付しています。年間予算は1,529,600円で、学生の学習意欲の向上を図るため①ウラジオストク本学への留学実習や②夏季休暇短期インターンシップ(サンクトぺテルブルク・モスクワ8日間)の2種類の事業について給付されます。
  ①に関しては3名の採用が決定し、9月の出発に向け、準備を進めております。
  ②のインターンシップ研修は、8月29日出発に決定し、4名の学生がサンクトペテルブルクにあるJTIペトロ工場の見学、モスクワの商社や本校の卒業生が勤務している企業での受け入れのほか、ロシア人学生との交流も予定されています。
  学生にとっては経済的負担が少ない中で在学中に見聞を広める絶好の機会です。卒業後の進路に生かせるよう、現地では積極的に行動し、たくさんのことを吸収するよう願います。

学生からの投稿 1年生特集 『本校に入学して』

ロシア語科 宮川 佑介

  私は高校を卒業して以来、約10年ぶりに「学校」というものに入学いたしました。
  当初は勉強についていけるのか、クラスメートとうまく交流できるのか、多くの不安がありました。自分ではそれらを周囲に悟られないように、平静を装っていたつもりでしたが、今となっては「なんでそんなことを気にしていたんだろう?」と思っております。
  先生方は気さくで話しやすく、クラスメートとは授業に関わることだけでなく、他愛もない話で盛り上がることもあります。たまにジェネレーションギャップを感じることもありますが、それすら楽しく感じ、逆に「えっ、なんでここで話が合うの?」といった面白い驚きもあったりします。
  まだ入って間もないのに、多くの喜びを見い出せました。この先、どれだけ良い思い出を作れるのか、楽しみで仕方がありません。

ロシア語科 小川 怜

  時間が経つのは早いな、と感じています。この2カ月は一瞬で終わった気がして焦りを感じています。   
今までとは真逆といえるほど大きく環境が変わってしまい、苦戦しているうちに2カ月経ってしまったような気もして、少しもったいなくも思います。入学する前に覚悟していたよりもロシア語は難しく、でも分かればすごく面白くて楽しいです。今何をしているかを周りの人に伝えると驚かれるけれど、私の選択肢は間違っていないと自信を持って言えるように、しっかり勉強していきたいと思います。この生活を精一杯楽しく過ごすためにもできること、やるべきことはしっかりやっていこうと思います。
  入学して時間の大切さ、有限だということを改めて実感しました。これからは無駄にしないように頑張りたいと思います。

ロシア地域学科 齋藤 航

  入学した頃に比べ、函館の街はぐっと暖かくなり、函館山や公園の緑がいっそう美しくなりました。やっと自分の生活リズムができてきた頃、大勢の観光客で賑わう八幡坂に位置する本校で私は毎日ロシア語の授業を受けています。正直、入学する前は「やっていけるかなぁ。」という不安がありました。ロシア語の授業では1コマに3~5回程度当てられ、答えなければなりません。そのほかに宿題や小テストもあります。しかし、ロシア人の先生方は言葉のニュアンスや表現、発音など理解できるようになるまで丁寧に教えてくださいます。また、本校の魅力は少人数でアットホームな環境です。その一つは先生が学生全員をロシア語の愛称で呼びます。ちなみに私は「ビクトル」とうい愛称で呼ばれています。
  それからロシア語で歌を歌ったり、イベントでロシアに触れる機会がたくさんあるので、今後の行事を楽しみにしています。
皆さんもぜひロシアという国に触れてみてはいかがでしょう。

ロシア地域学科 玉城 花菜

  入学して早二ヶ月、勉学についてのあれこれはほかの優秀な学生に譲るとして、雪の降らないまぁまぁ南の方からやってきた身としてここ函館での実生活を綴りたい。
  「雪だ!」、「吐く息が白い!やった~!」、「水抜きって何!?」、「寒い!(六月上旬なのに)」。街を縫って走るあの路面電車に生まれて初めて乗った日の感動は、ただただ歩道を渡るにしても、心うきうきと路線を跨ぐ今もなお続いている。たとえ電子レンジが爆発し火災報知機の性能を確認することになっても、不動産屋さんからの電話に怖くて出られなくても、一日三食具なしパスタでも、黄砂も梅雨も台風も来ないこの地にやって来ての一人暮らしは、自由気ままでなかなか楽しいものだ。
  全く読めなかったキリル文字が、何の支障もなく読めるようになった今のように、このイレギュラーで趣のある生活に慣れてしまう日がいつかくるのだろうか。少し寂しい気もするが、それもまた『いとをかし』。

ロシア地域学科 安下 明梨

  本校に入学してから今までの間に、キリル文字を書かない日は、一日もありません。授業は、文字の読み書きという初歩的なことから始まりましたが、筆記体もすぐに習いました。ブロック体も綺麗に書けないのに、筆記体など覚えられるのか、と思っていましたが授業についていくために練習していたら、いつの間にか書けるようになっていました。
  授業を受けていると新しい単語が次々に出てきます。それを全て覚えるのは難しいため、単語帳を作ってノートに繰り返し書いています。そうしなければ、授業を受けるにあたって支障をきたしてしまうのです。進行がはやく、少しでもサボるとついていけなくなるので、日々の勉強は欠かせません。
  生活に慣れたら落ち着くだろうと思っていましたが、そのような余裕はまだありません。遅れをとらないように勉強するのに精一杯の毎日です。しかし、露文の本一冊を読めるようになりたいので、もっともっと勉強し、ロシア語を自分のものにしていきたいです。