学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.81 2014.10 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

「ロシアのお茶」/ロシア極東連邦総合大学函館校教授パドスーシヌィ・ワレリー

飲み物の中で何が一番好きかロシア人に訊いたなら、「もちろんお茶だよ!」と答えるだろう。 温かい国の植物の葉から作られるこの芳醇な液体は、どのようにしてロシアの国民的な飲み物となったのだろうか。
 ロシアでのお茶の歴史は16世紀に始まる。1567年にペトロフとヤリシェフというロシアのコサックが、訪れた中国でお茶をごちそうになる。彼らがこの飲み物の最初の記述を残している。 1638年には、ヴァシーリー・スタルコフ大使が、皇帝ミハイル・フョードロヴィチからモンゴル高官への高価な贈り物を携えモンゴルへとやって来た。高官は、そのお礼にとロシア皇帝のための贈り物を渡した。その贈り物のひとつに乾燥した葉っぱらしきものがあった。「これは何ですか?」と訊ねるスタルコフに、高官は「皇帝陛下への最も高価な贈り物なのです!」と答えた。皇帝ミハイル・フョードロヴィチはお茶をたいへん気に入った。しかしモンゴルの茶葉はじきに無くなり、お茶のことはしばらくの間忘れられていた。
 1665年、在中国ロシア大使イヴァン・ペルフィリエフが再びロシアにお茶を持ってやって来た。 新しい皇帝アレクセイ・ミハイロヴィチは中国の飲み物の味と香りを高く評価した。それに加えて、茶は皇帝の腹痛を治すのにも役立ったようである。
 1679年、ロシアは中国とのあいだでお茶の供給に関する初めての条約を締結し、10年後にはお茶の隊商が行き交うようになる。中国から西ロシアまでの道は「偉大な茶の道」と名付けられ、その長さは1万1千キロメートルに及ぶ。歩き通すには1年以上の年月を要するほどの距離である。
 フランスの作家アレクサンドル・デュマは、「ロシア、とりわけサンクト・ペテルブルグでは、美味しいお茶を飲むことができる」と書いている。その理由として、ヨーロッパへは航路で茶が運ばれるために長い航海の間に茶葉は湿気を帯びて本来の美味しさが損なわれてしまうのに比べ、ロシアへは中国から直接陸路で運び込まれるので茶葉の品質が格段に良いからなのだ、と彼は説明する。
 ロシアでは最初のころお茶は高価で、それを飲むことができたのは裕福な人たちだけであった。やっと19世紀中頃になって、インドやセイロンからそれほど値の張らない紅茶が持ち込まれるようになる。手頃な値段の品種の茶葉がロシア帝国内全ての人々に飲まれるようになり、お茶は瞬く間にロシアの国民的な飲み物となる。大きな都市だけではなく、小さな村々でもお茶を飲むようになった。
 お茶を飲むことが国民的かつ伝統的な習慣となったのである。17世紀末には、お茶のための特別な金属製器具サモワールが発明される。最も品質の良いサモワールは、モスクワからほど近い町トゥーラ製で、現在も作られている。19世紀中頃のトゥーラには20のサモワール工場があり、年間12万台のサモワールを生産していた。それと同時に、お茶のための特別な茶器としてのロシア陶磁器が生まれたのである。
 淹れたてのお茶には蜂蜜やミルクを加えていた。その後レモンや砂糖を入れたお茶がより一般的になる。お茶請けにはクラッカーや菓子パン、チーズケーキ、蜂蜜菓子、パイや様々な種類の果物のジャムなどが必ず添えられる。
 一日に何度もお茶を飲んだ。宮殿でも貧しい家でも、一日はお茶に始まりお茶で終わるのである。お茶を飲みながら家庭内の問題を解決し、仕事の話をしたのだ。徐々にロシア独自のお茶の作法が形成されていった。友人知人同士で「お茶を飲みにいらしてください!」とお客を招くようになる。給仕や御者などが受け取るちょっとした報酬を「お茶代」と呼ぶようになるほど、お茶は一般に広まったのである。
 1870年代には、パイや菓子と一緒に淹れたての熱いお茶を飲むことのできる、レストランより規模の小さい「喫茶店」が登場する。
 お茶の人気は1917年のロシア革命以後も変わることがなかった。ソビエト時代にはグルジアと北カフカスでお茶の栽培が始まる。グルジア紅茶は、ソビエト連邦のなかで最も広く普及した。
 最近の20年、ロシアでは世界各国の様々な種類のお茶が登場し、お茶を商うロシアの会社が設立された。かくして今ではお茶が最も愛される飲み物となったのである。

留学実習

ウラジオストク留学実習

9月4日(木)より、ロシア語科2年生の3名がウラジオストクにて留学生活を送っています。
学生たちは1ヶ月間、本学付属の外国人のためのロシア語学校で勉強をします。
語学だけでなく現地で学び得るたくさんのことを吸収し、帰国するよう願います。

学務課よりお知らせ

АБВГ-Day開催

11月12日、第7回АБВГ-Day(アーベーヴェーゲーデイ)を開催します。これは学年問わず全学生が集う「言語のお祭り」です。函館校で学ぶ日本人学生はロシア語で、本学より留学中のロシア人学生は日本語で日ごろの学習の成果を発表しあいます。
当日、授業は午前のみとし、午後1時より2部構成で行われます。第1部では個人が自由な発表内容と形式で発表を行い、第2部ではチームに分かれ、クイズやゲームでロシア語の能力を競い合います。
学年の垣根を取り払い、学習成果を試し、かつ舞台度胸をつけるチャンスです。すぐに準備にとりかかりましょう。

冬季休業

今年度の冬季休業は、12月15日(月)から1月9日(金)までです。
期間中、平日は事務局での各種手続き、図書室の利用は可能です。
12月29日(月)~1月5日(月)は、年末年始休業のため校舎を閉鎖します。
後期授業再開日は1月13日(火)です。

お知らせ

ロシア人留学生が来函します

今年も、ロシア極東大学留学生支援実行委員会の招きにより、ウラジオストク本学で日本語を学んでいる学生が函館校に留学します。日本語を学び、日本文化を体験するこの事業は今年で18回目を迎えました。
留学生は、ホストファミリー、函館校の学生との生活を通して、生きた日本語や、実際に日本を訪れなければわからない日本の文化・習慣を直接肌で感じ取ります。
函館校の学生は留学生と合同授業が行われ、また、一緒に学校行事に参加します。積極的に話しかけ仲良くしてください。

◎期間:10月29日(水)〜11月16日(日)
◎留学生のお名前
ヤーナ・ボフトゥノワ 3年生
クリスチーナ・ネケシェワ 3年生
ダリア・パニナ 3年生
ナタリヤ・ルブリョワ 1年生

本学よりイワニェツ学長来校


▲イワニェツ学長と集まった学生と八幡坂にて
9月27日(土)、ロシアにある極東連邦総合大学本学よりイワニェツ・セルゲイ学長が昨年7月に就任以来、初めて来校し、ロシアセンターに集まった学生及び教職員と1時間ほど歓談しました。
学生は緊張しながらも、イワニェツ学長にロシア語で自己紹介や質問をしました。
一生懸命話す学生の姿を見て、学長からは語学を習得することの大変さと大切さについてお話がありました。学生は、これからの学生生活で経験する留学実習だけでなく、将来のことを見据えてロシア語の勉強を今まで以上に頑張ろうと感じたようです。