学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.64 2010.7 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

魅力ある国際都市・函館/ロシア極東連邦総合大学函館校事務局長伊藤 皓嗣

「ズドラーストヴィチェ!」
 本校に勤務してまもなくの4月、私がロシア極東連邦総合大学函館校に勤務することを知った知人から、ロシア語であいさつをされました。残念ながら意味もわからず、もちろん返事もできません。この時から、せめて、あいさつくらいはロシア語で話せるようになりたいという思いが強くなりました。現在、「ロシア語市民講座入門コース」で 勉強中ですが、大苦戦中。せめて、ボケ防止に効果があればと願っているのですが・・・。

 6月10日からはHIF(北海道国際交流センター)での日本語・日本文化講習夏期セミナーが始まり、廊下や食堂からはアメリカの大学からの留学生61名のにぎやかな英語が聞こえてきます。HIFが函館に設立されたということからも、異国の文化を受け入れるという函館の豊かな土壌を感じることができます。
 水曜日の4時間目、倉田有佳先生の「北海道とロシア極東の交流の歴史」という講義が行われています。この講義では、函館・ロシアの交流史を学習し、さらに、西部地区の旧ロシア領事館・ロシアホテル跡地・旧堤商会事務所などロシアとゆかりのある建物や居留地を散策。旧シュウエツ邸・旧リューリ商会店舗などの紹介もありました。函館は、昨年、開港150周年を迎えましたが、ロシアとの出会いはさらに66年も前であったことに驚かされます。

 現在、シーズンインした八幡坂には、連日、たくさんの観光客がおし寄せています。耳を傾けると、日本語はもちろん中国語や韓国語も飛び交っています。この地域にいるだけで、世界のいろいろな言葉が聞こえ、国際色を感じることができます。近くの元町公園にあるペリー提督のブロンズ像やペリー提督来航記念碑などを見ても、当時から異国の文化が市民に受け入れられていたことを教えてくれます。

 4月から通勤コースが変わり、ともえ大橋を渡りきったあと金森倉庫群前を直進。はこだて西波止場美術館前を左折して八幡坂を登るようになりました。店の前にある公園の小さなブロンズ像をごらんになったことがあるでしょう。

 「♪赤い靴 はいてた 女の子 異人さんに つれられて いっちゃった・・・」童謡『赤い靴』の主人公・岩崎きみちゃんです。
 きみちゃんは静岡県・清水市(現静岡市)で誕生、2歳の時に北海道開拓団に交じり函館に来ました。小樽まで鉄道が通ったことでにぎわっていた当時の函館。末広町の桟橋付近のみやげもの屋で働いたお母さん・かよは、夫とともに後志・留寿都村に入植することを決意します。しかし、病弱のきみちゃんを一緒に連れて行くことはできないと、元町の日本キリスト教団函館教会のアメリカ人宣教師ヒュエット夫妻に里子として預けたのです。その後、ヒュエット夫妻には帰国命令が。長い船旅には耐えられないだろうと東京麻布の孤女院に預けられた5歳のきみちゃんは、9歳で結核のために亡くなり、異国の地を踏むことはなかったということです。
 一方、想像を絶する過酷さで開拓団は2年で解散。その後札幌に移り住んでいたお母さん・かよから聞いたせつない思いを、借家で同居していた野口雨情がつづった歌、それが『赤い靴』だったのです。

 もう一度小さなブロンズ像を見ると左手に愛と夢と希望が詰まったバッグを持ち、前方をきりっと見据えたきみちゃんがいます。この童謡が函館を舞台とした実話だったこと、発表された年と函館市制が施行された年が同じ大正11年だったことなど、当時から異国の文化が函館で花を開いていたことを感じさせてくれます。

 昨年、ブランド総合研究所が発表した「地域ブランド調査」のランキングで、函館は全国トップとなりました。「観光・レジャーの街」「食事がおいしい街」「買いたいおみやげや地域産品がある街」という評価が大半を占めていました。
 しかし、函館の本当の魅力は、わが国最初の国際貿易港としていち早く海外に門戸を開いたという歴史と、早くから異国の文化を吸収してできた函館独自の文化ではないだろうかと考えています。

学生からの投稿1年生特集『本校に入学して』 

函館校に入学して ロシア地域学科1年 福田 加奈子 (須坂市出身)

今年の新入生は計8名で、年齢も高校卒業したての18歳から社会で活躍し定年を迎えた60歳までと幅広く、個性豊かです。そのため早くも授業以外に学ぶことが多く出てきました。例えば10代の学生から好奇心の強さに刺激を受け、20代の学生から粘り強さ、そして年輩の学生からは自分に合った勉強法を見つける大切さと知恵を学びました。
 また熱心な先生方の授業のお陰で実用的なロシア語を学んでいます。限られた時間の中で皆が出来るだけたくさんロシア語や英語が話せるよう気が配られていますし、質問にも丁寧に答えてもらえます。これは少人数制クラスが実現している函館校ならではの魅力です。
 入学してから既に3カ月。時が経つ速さに驚いています。充実した4年間を過ごせるよう、再度気を引き締め直して学生生活を送りたいです。

函館に来て ロシア地域学科1年 加藤 奈美 (伊東市出身)

 私は本州からこの学校に来ました。ロシア語をやってみたいと思っていて、テキストを購入したら裏表紙にこの学校が紹介されていました。北海道ということもあり、ロシアとゆかりの多い町なので、ロシア語を学ぶには最適な条件がそろっていると思い入学しました。まだ習い始めたばかりなので、英語とはまた違った難しさがありますが、文化にどんどん触れて、ロシア語を身につけたいと思います。

まずは、愛称を手掛かりに ロシア地域学科1年 工藤 彰信 (大崎市出身)

言語を学ぶことを通じて、コミュニケーション力を養いたい。そんな気持ちが、私の本校入学のきっかけになりました。
 入学以来、学校の家庭的な雰囲気の後押しもあり、以前と比べ、人と関わる機会を増やすことができました。その背景には、ロシア語での名前の愛称がありました。日本語の「〜さん」とも、「〜君、〜ちゃん」とも違う独特なニュアンスを持った新鮮な表現だと私には感じられました。そして愛称は、私にとって重要なコミュニケーション手段となったのです。
 この手掛かりを元に、まず基本的なコミュニケーション力をしっかり鍛えていき、将来的には、愛称に頼らずとも自然なコミュニケーションが出来るようになる事が私の目標です。

ゼロからのスタート ロシア地域学科1年 鍋谷 真依 (北斗市出身)

私がこの学校に入学した理由は、ただ漠然とロシアを学んでみたいと思ったからでした。連日、テレビから流れるロシアのニュースに耳を傾けながら、日本と関わりが深い国の筈であるロシアについて、自分は何も知らないのだ、と自覚しました。そんな時、偶然この学校に巡り合い、ロシアを学ぶチャンスを頂いたのです。
 入学当初、本当にゼロからのスタートだった私は、毎日が不安で仕方がありませんでした。見るもの聞くこと全てが新鮮で、私に身につけることができるのだろうか、理解できるのだろうか、そんな事ばかり考えていました。しかし今では、以前より楽しく学習しています。新しい単語を覚えるたび、この小さな積み重ねが大きな理解へと繋がるのだと常々感じます。この学習を決して無駄にせず、将来に生かしていく為に、これからも頑張っていきたいです。

ロシア人かぞえうた ロシア語科1年 畠山 重人 (仙台市出身)

ひとつ ひとには やさしくて
ふたつ ふしぎな ちからあり
みっつ みためは こわもてで
よっつ よんでも ほほえまず
いつつ いつもの ナ・ヌ・ノ・ターク
むっつ むかしの はなしなら
ななつ なんとも うるわしい
やっつ やなこと こまりごと
ここのつ くよくよ しないなら
とおで とうとう ロシア人
じゅういち じゅういっぱい のみほして
またまた かんぱい してましたとさ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

「食事はどうされてますか」と、よく聞かれます。人にとって、最も重要なテーマは食べることなのだと再認識しています。食を忘れて勉強することもあります。学徒だもな。

ロシア語学習の悩みあれこれ ロシア語科1年 小早川 眸 (札幌市出身)

 入学して早三ヶ月。そろそろ「ロシアとは何か」ということについて、自分なりの何か概念的なもの、具体的な何かが自分の脳内に「ロシアの引き出し」となって出来てきた頃なのではないでしょうか。同時にいくつか悩みも生まれてくる頃だと思います。学び始めた頃の悩みは、単語が長くて覚えづらい。全部同じように見える、聞こえるという所にありました。いや、今でもですが。
 今の悩みはまだ格変化がしっかりと脳内にインプットされていないこと。特に会話になると時間をくれないので、「アレ?ここの格変化何だっけ?」なんて考えているうちに何も言えずに終わる・・・。これは結構凹みます。また、適切な動詞を出せない!これも厄介です。辞書を引いてもあまり当てにならないのが悲しい所です。まぁ、これは文化に対する私の理解不足ですね。
 課題も勉強も山積です。まだまだロシアは遠い国です。

極東大に入学して ロシア語科1年 工藤 美咲 (北斗市出身)

入学してから三カ月が経ち、学校生活にも慣れました。この学校に入学する前はロシアのことをほとんど知りませんでした。というよりも、あまり考えたこともありませんでした。しかし授業を受けているうちに、ロシアの習慣や、考え方の違いなどがだんだんわかってきて、ロシアのことがもっと知りたいと思うようになりました。私はまだほんの一部しか知りません。でも、この学校はロシアの方々と触れ合える機会がたくさんあります。この機会や授業を通してロシアについて深く学んでいきたいと思います。