学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.63 2010.4 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

「日本の神」について/ロシア極東連邦総合大学函館校講師イリイン ロマン

サッカーワールドカップが近づいている今、海外のリーグで活躍している日本代表が、日本のマスコミの特別な注目を浴びている。そして、最近、最も注目が集っているのが本田 圭佑だろう。
 本田選手は去年12月に、オランダからロシアプレミアリーグの名門クラブCSKA(ЦСКА)モスクワに移籍し、ロシアリーグでプレーする史上初の日本人サッカー選手になった。
 CSKAのファンは、最初、日本の選手に少し懐疑的だったが、今では本田選手はCSKAのサポーターにその実力を認められ、一番好きなサッカー選手の1人になっている。なぜ人気になったかといえば、本田選手がロシア国内リーグ開幕戦で決勝ゴールを挙げ、また、3月16日に行われた欧州チャンピオンズリーグのスペインクラブのセビリア戦で決勝ゴールを決めたからだ。ホームで戦っていて常に非常にいいサッカーをするセビリアに2−1で勝利したCSKAはチャンピオンズリーグのベスト8へ進出した。ロシアのサッカーファンは大喜びして、ロシアのマスコミもCSKAをべた褒めしている。CSKAが勝利したセビリア戦の翌朝、 大衆紙コムソモリスカヤ・プラウダは《ЦСКА ВЫЕХА НА ХОНДЕ》 「CSKAがホンダに乗って、発進して、勝利した」とのタイトルを付け、ロシアのスポーツ新聞の中で最も発行部数の多いスポルト・エクスプレス紙は 《ЯПОНСКИЙ БОГ!》という見出しを付けた。そして、日本のマスコミは、ロシアのマスコミが本田選手の活躍をどれほど称賛しているか示すために、スポルト・エクスプレス紙のタイトル《ЯПОНСКИЙ БОГ!》を訳して、「日本から来た神!」を報じた。
 その訳を見た日本の方は、ロシアの マスコミが本田選手を神格化していると思っているだろう。勿論、それぞれの見出しには本田選手についての言葉遊びがあるのだが、私は「日本から来た神!」という訳がちょっと気になった。文字通りに訳すと、《ЯПОНСКИЙ》 は「日本の」、 《БОГ》 は「神」、つまり、それは素晴らしいプレーをした本田選手のことを表しているだけと思いがちだが、実際はこの表現にはもう一つの意味が隠されている。
 実は、ロシア語の《ЯПОНСКИЙ БОГ!》は決まり文句であり、一般に、驚き、また、絶望、怒りなどを表す感嘆句だ。なぜ《ЯПОНСКИЙ БОГ!》は慣用句として用いられるようになったのか。
 まず、英語など、ヨーロッパ諸語にも驚愕、憤慨など、強い感情を表すとき、神に関係する (God、Бог)を使って、あらゆる文脈で利用できる表現がある。(その中で最もありふれたのは“Oh, My God!”だろう)。
 では、なぜロシアの人は非常に驚いたら、「ロシア」、や「中国」の「神」ではなく、「日本」の「神」と言うのか?それはロシア語の極めて卑俗な言葉の一つは、 ロシア語の文字 е(イエー)、またё(イヨー)(ここではその言葉を公にできないけど)から始まり、その単語の2つ目の文字は б(ベー)なので、発音的には、その2文字に最も近い音節はяп になるから。ロシア語はяп から始まるモーフィー(形態素)Япония(日本)以外の単語がないので、人前で言えない悪い言葉は《ЯПОНСКИЙ》 に置き換えられて、《ЯПОНСКИЙ БОГ!》(日本の神!)はきれいな婉曲語となった。勿論、この言い方をするロシア人の頭の中に宗教的な意味で「神」というイメージは湧いていない。単なる慣用句の一つである。
 何か予想外なことが起きた場合、この表現は使える。例えば、本田選手がフリーキックで素晴らしいゴールを決めて、そのおかげでCSKAが予想外に勝利したとき、それは《ЯПОНСКИЙ БОГ!》(いい意味で「とっても信じられない!」)で、それと反対に、もし、本田選手がPKを外して、CSKAが負けてしまったら、また《ЯПОНСКИЙ БОГ!》(悪い意味で「信じられない!」)ということになる。

卒業生からの投稿 

卒業を迎えて ロシア語科 小林 健裕

色々な出来事が、式を迎えるにあたって思い返されます。特に印象深い思い出は、アカデミックリンク2009で一致団結して人形劇の発表をし、優秀賞を受賞したことです。チームで工夫を凝らし、より良い作品を産もうとした、あの時の熱意は受け継がれ、ロシア極東大の学生と先生によって、今年も素晴らしい作品が出来上がる事を信じています。
 やり残した事や、楽しかった思い出も全て私は忘れずに、ロシア極東大学函館校の卒業生であることを誇りにしつつ、前へと進んで行きたいと思います。
 お世話してくださった先輩の方々、一緒に1年を過ごした後輩の方々。そして一緒に卒業する皆と、今まで本当に良くしてくれた先生と事務員の皆様。この2年間本当に良くして頂き、ありがとうございました。

私にとってのロシア語 ロシア語 田近 修

私はロシア語科を卒業しました。この2年間を振り返ると、あっという間でした。
 私がロシア極東大函館校に入学しようと考えた理由は、もちろんロシア語を話せるようになりたかったからです。なぜロシア語だったのか?それは、数年前から本を読んだり、報道を見たりする中で、ロシアの経済発展や日本との文化交流を感じ、ビジネスの機会が増えるのではないかと思ったからです。
 この大学で学ぶうちに、増々ロシアに興味を持ち、ロシアが好きになりました。私は、ロシア人はとても人情味があり、日本人より友達を大切にすると感じました。ロシア人の皆との交流を通して、一番彼らをうらやましく思ったのは、日本人の私には苦手な、感情を表に出して、表現するところです。
 今後、社会に出て働いても、ロシア語の勉強を一生続け、日本とロシアを結ぶ一員でありたいと思います。

学生生活を振り返って ロシア地域学科 石郷岡 慧

題名から在り来たりでスミマセン。このような題名にすると、大体は「あっという間」、「短く感じた」などの言葉が並びます。卒業する立場ではない1年生くらいの学年ですと、「は?意外に3年とか4年って長いから」くらいに思ったりしたものですが、いざ自分がその立場になると、本当に「あっという間」という言葉しか出てこないものです。
 学生生活は世間では「人生最後の休暇」と呼ばれる貴重な時間です。このような時をロシア語やロシア文化をとおし、先生方や留学生をはじめとする人々と交流できたということは、とても有意義であったのではないかと思います。
 大国はアメリカだけでありません。もっとロシアという国が日本人にとって身近になれば、とも思います。たとえば、5歳児が「ズドラーストヴィーチェ」とか言えるくらい身近な国に。

卒業にあたって ロシア地域学科 山崎 公大

ロシア極東大函館校に入学して早4年の月日が流れた。この4年間で得た知識と仲間はこれからの人生でかけがえのないものとなった。また、先生方や事務職員の方々には大変お世話になった。もし、先生方や事務職員の方々がおられなければ、きっと早いうちに挫折していただろうと思う。
 4年間というのは本当にあっという間だった。入学式や新入生オリエンテーション、毎年行われたはこだてロシアまつりとマースレニッツァ、そしてウラジオストクへの留学が昨日のことのように思い出される。中でも、最も記憶に残っているのが新入生オリエンテーションである。入学したばかりの時に行われたこのオリエンテーションとこの時の鳥飼先生のテンションの高さのおかげで、クラスにまとまりができたと思う。
 楽しいことや悲しいこと、辛いこともあったが人間として成長できたと実感している。本当にお世話になりました。ありがとうございます。

みんなに感謝!ありがとう! ロシア地域学科 山口 攻

春の匂いが感じられる今日この頃、そろそろこの僕にも卒業というものが訪れようとしています。入学したのがつい昨日のように感じます。
 この短い4年間で、確かにロシア語の習得、そして文化や歴史・経済での知識も得ました。ですがそれ以上に得たものがあります。それは思いやりです。思いやりがあるからこそ仲間を助け合い、そして一緒に学び、そして楽しいキャンパスライフを送ることができました。
 そして先生方や事務局の皆様とも楽しい一時を過ごすことができました。色々とご迷惑をおかけしましたが、本当に楽しかったです。また函館校に顔を出しますので、その時はどうぞよろしくお願いします。
みなさん、お元気で。4年間ありがとうございました。さようなら。
До свидания!