学報 "МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

学報"МИЛЛИОН ЗВЕЗД"

No.51 2007.4 "Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

自然には悪い天気がない/ロシア極東連邦総合大学函館校 講 師イリイン・ロマン

私は1997年、札幌で行われた「北東アジア・米国学生集中講座」に参加しました。「自然環境保護と地域文化の尊重」というテーマで5カ国(日本、ロシア、アメリカ、中国、韓国)から20人の学生が札幌に集まって、講義を受けました。当時私は大学の3年生で、日本に来たのは2回目、北海道は初めてでした。あの時までは日本人以外の外国人と会話する機会がなかったし、市内視察、研修旅行などいろいろ面白いことがあったので、今も札幌での滞在は記憶に残っていますが、今回の話は国際交流とか異文化についてではありません。

 講座では海洋汚染、砂漠化など、つまり地球の自然環境を守ることの重要性について語られていましたが、私は講義でのある先生の言葉が強く印象に残りました。「地球温暖化問題は来る21世紀には間違いなく深刻な問題になり、 最も我々の生活に影響を与えるものと考えられます」。

 温暖化問題がいつから認識されはじめたのかよく分かりませんが、90年代にはこの問題はマスコミでまだ話題に上っていなかったと思います。

 そして、その時から10年が経って、世界は21世紀に入りました。先生が言った通り、今は地球温暖化が叫ばれて、本当にホットニュースになりました。マスコミは一般人を脅かして、温暖化による人類の破局の光景を描写しています。例えば、私が先日読んだある新聞記事によると、永久凍土の溶解で2050年までにロシア北部の建物や道路、パイプラインなどのインフラが破壊される可能性が高いそうです。また、地球の平均温度が2度上れば40%の種が絶滅の危機に瀕するという話がありました。恐ろしい予測でしょう!

 まさに、最近は地球がおかしくなったと思います。今年は1月になってからモスクワの動物園では熊が冬眠に入り、一方、同じく異例の暖かさにサンクトペテルブルクの熊が1月に冬眠から目覚めました。ヨーロッパの一部では春に咲く花が冬に開きました。北海道も去年の冬の豪雪から、今年は雪不足で函館周辺のスキー場が閉鎖されました。また、ウラジオストクでは100年以上ある観測記録史上初めて3月に最多降雪量を記録しました。ここ2、3年で世界の各地でこのような異常気象がたくさん発生しましたが、地球温暖化がもたらす被害は凄まじくなるという予想を信じたくありません。幸いに、多くの学者は異常気象を温暖化と直接結びつける根拠はなく、原因は暖流のエルニーニョ現象だと言っています。それを信じたいです。

 そして、有名なロシアの歌の文句によると「自然は悪い天気がなくて、それぞれの天気はすばらしいです」。

卒業生からの投稿

「知識と経験」 ロシア地域学科 久田 賢明

 私は常に思う。本校学生がロシア語を上手に話す人間に足り得るのか?私達が果たして(日常に支障を出さない)日常会話レベルに達しているのだろうか? 4年間を通して学んできたが、残念ながら、足り得ない、達していない、が答えである。もちろん、ロシア語を話せる・書ける・聞けるレベルにはあるのだが、それは平均なものであり、ずば抜けて話せる、という事ではない。

 よく人は言う。「ロシア語ができてすごいね」と。だから私はこう答える。「ロシア語を勉強しているから」と。これは身もふたもない答えなのかもしれない。しかし、教育大学に通う人も、医療学校に通う人も専門知識を身に付けている。私には人を教える技術はないし、病名やその原因等を詳しく知らない。私からすれば、そういった人達は「すごい」のである。経験していない人からみると、その分野を知る人は「すごい」人に見えてしまう。それは喩え経験をしている人が小さな知識しか持っていない人であってもそう見えてしまうのだから不思議だ。簡単に言えば、自己紹介をロシア語で話せるだけで充分「すごい」と言われるレベルに達しているのだ。

 私達はそれで満足していいのか?世間的に評価されるだけでいいのか?私達がもし自分がうまくロシア語を話せると感じたのであれば、それは驕りである。
 私達が学ぶロシア語の世界は学校一つではない。身近な世界で言うなら通訳の仕事、留学だ。そして学生生活4年間の時間をロシア語という枠だけに収める必要もないのだ。後輩達よ、色々な経験をして色々な知識を蓄えて欲しい。経験と知識を数多く持つ人間、そんな人間に成長していってもらいたい。また、私もそんな人間になれるよう日々を精進しよう。

 進めば、何かを見つける、動けば、何かが変わる。

「今を生きる」 ロシア地域学科 川畑 真樹子

『4年間の大学生活は長い。きっと、飽きる』。ある人に私はそう言われたが、それは大きな間違いだと思っている。
 もともと私は外国語が好きで(残念な事に得意とは言い切れませんが)、進学するなら語学を学べる学校が良いと心に決めていた。しかし函館から出る事は許されず少し困り果てたが、そんなに悩む事ではなかった。函館にはロシア語を教える学校がある。英語も好きだったが、外国語に対して関心が高かった私はロシア極東大学函館校へ行く決心をした。 不純な動機ではあるが、私が当時テレビで見たソルトレイクシティー五輪で、とあるロシア人のフィギュアスケーターのファンになった事も決めた理由の1つである。

 実際に入学してからの感想は、きついの一言に尽きた。しかし、ある程度の時間が過ぎると、このきつさが良かったなと思えた。私を知る人間は、私のことを決して勤勉ではなく、怠け者と思っていたし、人に指摘されるとその通りだと認めた。
 だから、私に忠告してくれたのだろう。
 『4年間の生活は長すぎて、耐えられない』と。
? 長い?いいや、そんな事は全く無かった。 特に3年生に入ってから時間の経過が余りにも早すぎて驚いたくらい。 前期は留学へ行くために勉強と試験をこなし、試験が終わると留学の準備。 準備が終わったと思ったら新潟にいた。 そして、気がついたら帰国前日だったりと・・・早かった。
 しかし、4年生になると加速度はさらに増した。1分が1秒なのではないかと思うくらい早くて、もっと時間が欲しいと呻いたこともある。

 あるスポーツ選手が雑誌で、好きな言葉に『Seize the day.』と書いていた。
 意味は『今を生きる』。

 この言葉を見た時に、自分はまっとうに今を生きているのだろうか?と率直に思った。まだ、その答えは見つけられない。ただ4年という時間は、自分にとっては余りにも短すぎてあっという間だった。確かに普通に考えれば4年という時間は、決して短くはない。でも、ここにいたおかげで長いとは思わなかったし、むしろ、足りないと思うくらい充実した日々を過ごせた。他の大学または専門学校へ行ったら・・・と思うと少し恐ろしい。普通の学校では味わえない事も多々あった。時にそれが面倒だと思った事もあったが、今、振り返るとかけがえの無い思い出になった。何度も何度も1年生、または2年生の時に戻りたいと願った。しかし、時計は止まらない。戻りもしない。

 共に4年間を過ごした同級生、頼もしい後輩、家族のような温かさを持つ先生方と事務の方々に出会えた事は、唯一無二の宝物となった。名残惜しいが、もうすぐ別れの時間だ。時は常に動き続ける。嘆いていても仕方が無い。それに、終わりが悲しい事だけとは限らないと私は思う。

「思い出は走馬灯」 ロシア地域学科 前馬 理慧

 「卒業したくない」、これが今の心境。入学当初は、4年間の学生生活は長いと思っていた。しかし、3年になって、時間の経過を急に早く感じるようになった。3ヶ月間のウラジオ留学があったからだろう。帰国後、中断していた学年論文作成に取り掛かり、書き終えてほっとしたのも束の間、4年生直前。とにかく、3年時はあっという間に過ぎ去ったという感じである。

 大学生活4年間を通して夢中なったことの一つに「ロシアまつり」がある。人の支え合いなしでは決してできあがらない催し、それだけに終了後には達成感を味わうことができた。

 卒業を間近にした今、一日一日が惜しくてならない。もっと勉強すればよかった。後悔の気持ちが自然に湧いてくる。この後悔の気持ちを今後の生活に活かさなくてはと思う。在校生の皆さんは、後悔のない学校生活を送ってもらいたい。宿題が多く、時には投げ出したい気持ちになることもあるかもしれない。でも、後悔の残らないよう粘り強い生活を送ってほしい。努力した分だけ成果は手にできる。私も、この4年間の想い出を胸に、新たな出発をしたい。

 ありがとう。出会えた人すべてに感謝したい。

「感謝」 ロシア地域学科 渡邉 晃久

 4年間を振り返ると、本当にたくさんの事がありました。授業はもちろん、クラスメイトの交わりの中で、人間関係など、多くの事を学ばせていただきました。

 今回、クラスメイト全員揃って卒業できることを嬉しく思います。しかも、全員、就職を決めての卒業。最高です。私も9月から、ウラジオストクでロシア語研修ができるようになりました。在校生、教職員の皆さんには、本当にお世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

「2年間を振り返って」 ロシア語科 今成 愛

 この2年間を振り返ったとき先ず思い出すのは、学校はもちろんのこと家でも毎日毎日勉強していたことです。常に、教科書やプリントと向き合っていた気がします。課題に追われる毎日の中で、楽しむ気持ちを忘れ、気持ちの余裕をなくし、何のために勉強しているのかがわからなくなっていました。それでも勉強を休む事は許されず、続けていくことに自信を失くしたこともありました。でも、授業の中に必ず新しいことを知る面白さやロシア語を話す楽しさを気付かせてくれる瞬間があり、だから、ここまで続けてこられたのだと思います。そしてロシアまつりなどの行事はとても楽しく、そのたびに、ここに来てよかったと思いました。特に人形劇や民族衣装を着て踊ったことはとてもいい思い出になりました。

 2年間の勉強を終えて、すばらしい環境でロシア語を学べたという喜びを感じています。どんなに大変なときも逃げ出さなくてよかったと思います。ロシアの文化を身近に感じる事ができたこの時間は、私にとってとても大切で貴重な経験となりました。ここで出会えたすべての人に感謝します。そして、この小さくて温かい学校で学べたことを嬉しく思います。

「卒業、そして再出発」 ロシア語科 荒木 梨馨

 卒業して2週間が経ちました。今は実家に戻り、これから始まる新生活(新潟での仕事)の準備に追われ、多忙な日が続いています。そのような中でも、時には卒業アルバムや写真を見て懐かしい函館を思い起こしております。

 思えば2年前、一抹の不安を抱えたまま入学しました。それまで私は会社に勤めていたので、安定した収入があり、それを捨て、再び学生に戻り勉学に励もうと決心するまで、自分の中でかなりの葛藤があったからです。
 しかし、そのような懸念は学校生活が始まるにつれて徐々に払拭されていきました。授業と宿題の単調な毎日の繰り返しに多少の物足りなさと疲弊を感じながらも、世代を超えた友人たちの存在や個性豊かで博識な教授陣による密度の濃いロジカルな講義、そして函館の美しい眺望が私の心を奮い立たせてくれたように思います。クラスメイトにも恵まれ、多種多様で優れた考えの人たちとの交流は、私にとってとてもいい刺激となり、得るものも多かったです。

 2年という期間はとても短いかもしれませんが、この学校で過ごした2年間は私のこれからの長い人生において、とても重要な意味を持つ期間だった思います。
 様々な視点を持った素晴らしい人たちに出会い、触れたことで自分の視野も広げられ、人間的にも一歩成長できたと感じます。

 卒業は、人生において一つの通過点にしか過ぎません。これから起こり得る状況の変化と苦難を想像すると楽なことばかりではないようということは、容易に考えられます。しかし、たとえ困難に直面したとしても今まで培った知識と経験があれば動じることなく冷静に対処できるはずです。まだまだ長い人生、変化の連続で、好むと好まないに関わらずそのようなことに適応していく力も必要とされます。状況の変化をリスクととるかチャンスととるか、それは自分次第。強固な意志をもって臨み、自分の世界を広げていけるよう日々向上に努めたいと思います。失敗を恐れず常に前進あるのみ。そう思えるようになったことが2年前の自分より成長できたことの証であります。

 もし、あのまま会社勤めをしていたら堅実な生活があるだけで新しい事はなく、得るものは今ほど多くはなかったでしょう。

 いつかきっと成長した自分を見ていただくために函館に戻って来たいと思います。第二のふるさとができたことはとても嬉しいです。いろいろ悩み、自分自身を模索する日々もありましたが、この学校への入学を決心したことは間違いではなかった、正しい選択であったと心から思っています。諸先生方、事務局の皆様、函館で出会ったすべての皆さんに感謝しています。本当にありがとうございます。