ロシアではソ連時代からの伝統で、人形劇は子どもたちだけのものではなく、ひとつの芸術として確立されています。本校ロシアまつりでのオリジナル人形劇の上演も今回が5回目となり、これをお目当てに来場する方も多く、出し物としてすっかり定着しました。
今回のお話は古代ロシアのおとぎ話で、リムスキー=コルサコフ作曲によるオペラになったことでも有名です。
ロシアの古都・ノヴゴロドに住み、「グースリ」というロシアの琴を弾く吟遊詩人サドコーは、ある日岸辺で海底王国の姫ヴォルホヴァと出会います。姫はその美しい琴の調べに魅せられ、サドコーを婿に迎え入れようとしますが、妻も子もあるサドコーはそれを断り、姫はあきらめて海底に戻っていきます。姫は別れ際、サドコーに「商人たちの集まりで『虹色に光る魚を見た』と話せば、あなたは大金を手に入れるでしょう」と言い残していきます。
姫からの言いつけどおり、「虹色に光る魚を見た」と話したサドコーは、それを信じない商人たちと賭けをして、見事にその魚を捕らえてみせます。サドコーは褒美として商人から船や財産を手に入れ、お金儲けをするため、貿易の旅へと世界中を回ります。
ロシアへと帰る航海中、一行は嵐に出会います。海の王の怒りを鎮めるため、サドコーは自らいけにえとなり、海に身を投げます。実はそれは、姫の恋心を知った海底の王が、サドコーを海へと引き入れるために起こしたことでした。しかし姫は、サドコーを家族のもとへと逃がします。ふたたび故郷ノヴゴロドに戻ったサドコーは琴弾きに戻り、幸せに暮らしました……。
壮大なスケールで描かれた本作には、帆船やクジラなども登場し、セットや大道具も大掛かりなファンタジーとなりました。
例年同様、脚本、音響、舞台装置、人形制作から操作まで、デルカーチ監督の指導の下、学生たちが準備を進めてきました。学生・教員が熱演し、あらかじめ録音してある声に合わせ、1体の人形を一人または二人で、まるで生きているかのように表情豊かに操ります。30分ほどの間、次々と入れ替わる登場人物やセットに、舞台裏はとても緊迫しています。終了後、舞台前に人形とともに現れた学生たちには温かい拍手が送られ、学生たちも笑顔でそれに応えました。会場に入りきれず、廊下まであふれるほどの観客の喝采に、長い準備の苦労も吹き飛んだのでした。
人形操作
畠山重人、小早川眸、工藤美咲、田口惠理子、福田加奈子、加藤奈美、工藤彰信、鍋谷真依、星出愛子、川原陽介、吉田真大
声優
平田真也、星出愛子、川原陽介、小柳卓也、吉田真大、デルカーチ・フョードル |